第2040回 幼児の友
ほとんど記憶はないのですが、私にとって最初のペットは猫だったと聞かされています。どの程度の仲好しだったのかは聞かされた事がなく、記憶にもない事からはっきりとしませんが、猫が大切な家族となっている今日の生活の基礎は、その頃に築かれたのかもしれないと思っています。
それからしばらくして犬を飼ったのですが、ペットの関する記憶はこの犬から始まっていて、今でも大好きだった事が思い出されます。
最近では動物と接する事でさまざまな症状の緩和に役立つとするアニマルセラピーや、猫が常駐している猫カフェ、犬と一緒に楽しめるドッグラン、同伴可能な宿泊施設など、動物と過ごす時間の大切さや意味が広く意識されるようになってきていると感じます。
子供の頃にペットの接する事は、世話をするという責任感の育成や言葉の通じない相手の事を理解し、慈しむという気持ちの育成、とても悲しい事ですが大切に思っていた存在との死別の体験と得るものが多いという話を聞かされ、自分なりに振り返ってみてもたくさんの事を学ばせてもらえたように思えます。
そんな動物と接するメリットについて、家に新生児がいる場合、犬を飼っていると明らかに病気になりにくいとする研究結果があり、とても興味深く思えます。
家で犬を飼っている幼児は、犬を飼っていない幼児よりも健康で耳の疾患に関する感染症が少ないとうる研究論文は、都市部と農村部に住む幼児を対象に生後9週間から1歳になるまでに、犬や猫などに接触する事により風邪などの気道の感染症やそれに伴う一般的な耳の感染症から保護されるかどうかについての調査結果として作成されています。
犬と暮らしている幼児が調査期間中に病気になっていたのは全体の期間の27%で、犬と暮らしていない幼児の35%よりも明らかに短く、病気になりにくい、病気になっても回復が早い事が判り、実際に抗生物質を投与する必要性も低かったとされます。
猫と暮らしていても病気になりにくい傾向は確認されていますが、犬ほどではなかったとされ、犬についても家の中にずっといるより大半の時間を屋外で過ごす犬と暮らしている方がより良好な結果が得られています。
屋外で多くの時間を過ごす犬はさまざまなほこりや細菌類を家に持ち帰ってくる事から、日頃からそれらにさらされる事で幼児の免疫力が高まる事が理由と考えられ、同じ多くの時間を屋外で過ごす猫は、本能的に毛繕いに多くの時間を掛ける事から持ち帰るほこりや細菌類が少なくなる事が犬ほどの好結果に繋がらなかった事と考える事ができます。
幼児の健康には母乳や人工栄養、出生時の体重や子供の数、親の喫煙状況など、さまざまな要因が複雑に絡んでくる事とは思われますが、動物と接する価値がまた高まったようで、どことなく嬉しく思っています。
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