第2776回 ワクチンの友



 最近になってキノコに含まれるβーグルカンが免疫力を向上させる細かな仕組みが判り、免疫力を高める事は確認できても理由がはっきりしていなかったβーグルカンへの理解も進んできていると思えます。

 そんなβーグルカンを多く含むキノコの一つとして「マイタケ」があり、免疫力を高めたいという相談を受けるとマイタケを食べる事を薦めるようにしています。

 先日行われた臨床試験では、マイタケがインフルエンザのワクチンの効果を高める事が示唆されていて、これまでインフルエンザの予防接種の効果を高める食品は知られていなかった事から、初の発見となっていました。

 今回の試験では免疫細胞の活性が低めの30歳以上、70歳未満の男女100人にインフルエンザの予防接種を受けてもらい、半数の50人にマイタケ70gに相当する抽出物の錠剤を三ヶ月間毎日摂取させています。

 マイタケを摂取していたグループは摂取していなかったグループに比べ、特に抗体ができにくい60歳以上ではA型で3.5倍、B型で2倍の抗体ができていて、ワクチンの効果を高めている事が判っています。

 体感的にも予防接種後に全身のだるさや喉の痛み、鼻水、頭痛などの症状を訴える人が大幅に少ないという結果が得られていて、有効性が確認されていて、これからインフルエンザの本格的なシーズンを前にマイタケは食べておく食材と思えてきます。

 今回の研究では特にβーグルカンやポリフェノール類の含有量が多い品種である「大雪華の舞」が使われていたのですが、特殊な品種でなくても同じような効果を得られる事は充分に考えられる事なので、美味しく健康作りに役立てられればと考えています。


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第2775回 生鮮第一号



 20015年4月から新たにスタートした機能性表示食品。それまで食品の効果効能を表示する事は「トクホ」と呼ばれて親しまれている特定保健用食品か栄養機能食品にしか許されていませんでしたが、科学的な根拠を示す事ができれば機能性表示食品として効能を表示する事が可能となります。

 栄養機能食品はビタミンや食物繊維などの栄養素を効率的に摂取できるものであったため、どちらかというと効能を表示するという感じではなく、特定保健用食品は審査に対して臨床試験などの厳しい検査が必要なために、認証を受ける事で製品価格が上昇してしまう、さまざまな検査を行う資金的余裕のある企業しか出願できないといった面を持っていました。

 機能性表示食品では効能の表示へのハードルを下げた形になり、これまで薬事法の制約から何かに効果がありそうなのにはっきりと表記されておらず、消費者が理解しにくい。真面目に広告を行う会社は効能を表示せず、法令を遵守しない会社は効能を謳って販売を行うといった困った部分を解消してくれるのではと思っています。

 そんな機能性表示食品で最初となる生鮮食料品の認定が行われ、第一号には温州みかんが効能の表示を可能となりました。みかんという事でビタミンCや食物繊維などによる美肌効果や、クエン酸による疲労軽減効果といった事を想像してしまうのですが、温州みかんに認められた機能性表示は意外にも「骨を丈夫にする効果」となっています。

 みかんのオレンジ色はβークリプトキサンチンと呼ばれるニンジンなどで知られたカロチノイド系の色素で、抗酸化作用をはじめとする効能を持つ事が知られていました。一見、カルシウムとは全く無関係な色素が骨を丈夫にするという事は想像しにくいと思えるのですが、観察研究によってβークリプトキサンチンが骨を丈夫にする事は確認されています。

 骨は一度作られてしまうと一生ものという感じがするのですが、カルシウムを放出する「骨吸収」とカルシウムを吸収する「骨形成」を繰り返して日々生まれ変わっています。カルシウムが不足したり、加齢によって骨形成の機能が弱まってくると骨が脆くなってしまい、骨粗鬆症になってしまう事もあるのですが、βークリプトキサンチンは骨吸収を抑えて骨形成を促す働きを持っている事が判ってきています。

 みかんをよく食べる人は、血液中のβークリプトキサンチン濃度が高い事が判っているので、健康な女性を対象に温州みかんから抽出したβークリプトキサンチンを摂取してもらったところ、骨の健康状態を示す骨代謝マーカーの検査で有意に高評価が得られた事や、血中βークリプトキサンチン濃度が高い女性は、骨の健康を保つ事に必要なエストロゲン量が減少する閉経後も骨粗鬆症になるリスクが低い事が観察された事が裏付けとされています。

 冬場は日照が限られて、体内のビタミンDの生成が少なくなる事が考えられるのですが、そんな冬場に旬を迎えるみかんは骨を丈夫にする自然の恵みという事ができると思います。


第2774回 酢トマト、トマト酢



 トマトの健康効果はヨーロッパのことわざ、「トマトが赤くなると医者が青くなる」に象徴されていて、多くの健康効果が知られています。「トマト農家に胃病なし」ともいわれ、元々胃腸が弱い私もトマトを意識して食べるようにしています。

 昨年には京都大学の研究グループによってトマトに含まれる物質が肝臓での脂肪の燃焼を高め、中性脂肪値を下げる効果がある事を発表し、しばらく行き付けのスーパーの棚からトマトジュースが消えるといった事態も起こっていました。

 トマトの赤い色の素ともなっているリコピンには、さまざまな疾患の原因となるとされる活性酸素を除去する力があり、メラニン色素の生成を抑制して美肌にしたり、アルコールの分解を助けて悪酔いを防止したり、疲労を軽減したり、血糖値を下げたり、ガンや動脈硬化を予防したり、喘息を改善したり、ダイエットにも有効と多岐にわたる効能が知られています。

 そうしたトマトを発酵させて作る「トマト酢」が売られていて、安眠の促進やストレスの軽減、血管を拡張して血圧を下げる、美肌作り、ダイエット、冷え症の改善、疲労回復といった効能が謳われていたのですが、同様の効果を得られるかもしれないとして「酢トマト」なるものの存在を知りました。

 酢トマトは鍋に水1カップと砂糖大さじ半分、塩小さじ半分を入れて火に掛け、冷ましながらカップ4分の1を加えます。そこへ爪楊枝を使ってたくさんの穴を開けたトマトを入れて、6時間ほど漬け込めばでき上がりとの事で、トマトと酢に由来した多くの効能を得られるといわれます。

 スーパーのトマトジュースはすぐに復活して、トマトダイエットが一過性で終わった事を感じさせてくれたのですが、手軽にできる酢トマトはしばらく続けてみる価値があるように感じています。


第2773回 臭い検診



 パーキンソン病は中脳の黒質と呼ばれる部分で何らかの原因によって細胞の減少が起こり、細胞が減少した事によって神経の伝達物質であるドーパミンが充分な量を作り出す事ができないために発症するとされ、正常なドーパミン量の20%を下回ると発病すると考えられています。

 日本では1000人に一人の割合で発病するといわれる事から、現在10万人に患者がいると推定され、高齢化社会を迎える中、珍しい病気ではなくなってきているといわれます。

 私自身、伯母をパーキンソン病で亡くした事から、身近な難病と感じていて、アドルフ・ヒトラーも発病していたと考えられている事から、強力な権力を持っていても避ける事ができず、モハメド・アリも患者である事から、頑健な体を持っていても避けられず、マイケル・J・フォックスが発病した事から、若くても発病してしまう病気である事を感じさせられています。

 パーキンソン病の症状は進行性ではあるのですが、比較的ゆっくりと症状が進行するため、典型的な症状が出る頃には症状がかなり進行してしまっている事が多く見られます。今のところ決定的な治療法は確立されていませんが、意外な方法で発症を早期に発見できる可能性が出てきています。

 スコットランドに住むジョイ・ミルンさんは、亡き夫のレスさんがパーキンソン病を発症する数年前から体臭が変化していた事に気付き、他のパーキンソン病患者からも同じような臭いがする事から、臭いと病気の関連性を疑うようになりました。

 研究者にその事を告げ、パーキンソン病患者と健康な人に就寝時にTシャツを着用してもらい、ジョイさんに臭いを元に患者を特定してもらったところ、正確に患者を特定できた事から、病気と臭いの関連性を研究するプロジェクトが開始されています。

 対象者から採取したサンプルを分子レベルで分析したり、食品や飲料などの業界で活躍する臭いの専門家にジョイさんを加えたチームが構成され、研究が進められています。

 臭いによる診断法が確立されれば、健康診断の際に提出する物として前日から着用したシャツが加わり、パーキンソン病の早期発見のための検査が追加されるのかもしれないと、患者に負担の少ない検査法に期待しています。


 

第2772回 ミルクアルカリ(2)



 市販の便秘薬に酸化マグネシウムが使われているのを見掛ける事があります。便秘の原因の一つに水分の不足があり、水分が不足した事で便の嵩が減り、大腸を刺激する力が弱まってしまうので大腸の蠕動運動が起こりにくくなって、結果的に便秘に繋がるとされます。

 気掛けて水分を摂るようにしていても、便秘が長引いている際は腸内の水分吸収が強くなっている事から、便はすぐに水分を奪われてしまい、便秘の解消に繋がらなくなってしまいます。

 酸化マグネシウムは水分を吸収する力が強く、消化器官内で水分を吸収すると腸壁から水分を奪われる事がなくなるため、便の嵩を増して腸に刺激を与えて自然な排便を促す事になります。

 便秘の解消に使われる収斂作用を持つ薬剤が強制的に腸を動かす事で排便を促す事に対して、酸化マグネシウムは自然な便意で排便を誘う事から、お腹が痛くならない便秘薬としても人気が高く、胃酸を中和する作用も合せて胃腸の調子を整える薬剤ともいわれ、元々が体内に存在するミネラルでもある事から目立った副作用もない事から広く普及しています。

 最近、そんな酸化マグネシウムの服用で高マグネシウム血症を起こして血圧低下などの症状が発生していた事が確認され、中には死亡した例も見られています。

 特に腸の蠕動運動が弱まり、便秘を起こしやすいとされる高齢者での報告が多いとされ、腎臓の機能が弱まっている場合、より症状を引き起こしやすい状態にあると考えられます。

 また、酸化マグネシウムは胃酸を中和するアルカリ製剤でもある事から、便秘の解消に役立つと考えられる牛乳を積極的に摂取していた場合、ミルクアルカリ症候群を引き起こしてしまう可能性も存在します。

 酸化マグネシウムを長く使っていると血液中のマグネシウム濃度が高くなる事から、酸化マグネシウムの服用で吐き気やめまいを感じたら服用を停止し、医療機関の受診が推奨されています。

 マグネシウムというと一時期ブームとなっていた「にがり」も塩化マグネシウムであり、少量を料理などに加えるという使用法を間違って直接飲用し、同じように高マグネシウム血症が報告されていた事が思い出されます。本来は必要不可欠なミネラルですが、意外なところに危険が潜んでいると思えてきます。


第2771回 ミルクアルカリ(1)



 毎日の食の中でタンパク質を努めて摂るようにしているのですが、タンパク質は代謝の過程で血液を酸性に傾けてしまいます。それを酸を中和して本来のpHに戻すために使われるのがカリウムで、肉を食べる際は一緒に野菜も食べるように薦められる根拠となっています。

 根菜類を通してカリウムを摂取するようにしているのですが、カリウムはナトリウムほどは吸収率が良くない事から不足しているのではと心配になってしまう事もあります。血液のpHの維持のためのカリウムが不足すると、代わりに酸の中和に使われるのがカルシウムである事から、食事にヨーグルトを加えるようにしています。

 プレーンなヨーグルトを夕食で食べるようにしているのですが、生まれ付き胃腸が弱く、最近、あまり胃の調子が良くない事から食後に胃酸の中和剤を飲むようにしています。カルシウムの確保と荒れた胃粘膜の保護を意図しての事なのですが、考えてみると体に悪い事をしていたと気付いてしまいます。

 20世紀の初頭、胃潰瘍の治療として胃酸から胃粘膜を保護する牛乳を飲み、しばらく時間をおいて胃酸を中和するマグネシウム製剤を飲むという事を繰り返す療法が考案されました。牛乳は胃粘膜の表面を保護するだけでなく、良質なタンパク質を供給して粘膜の回復を促すとも考えられ、利に適った療法とされていました。

 治療を進めていくうちに嘔吐や意識障害を訴える患者が見られるようになり、胃潰瘍の再発や悪化が懸念されたのですが、詳しく調べてみると患者の血液が高カルシウム血症を起こしている事が確認され、継続的な牛乳の大量摂取とアルカリ性の薬剤の併用で血液中のカルシウム濃度が異常に高くなる事が解明され、「ミルクアルカリ症候群」と名付けられています。

 今ではそうした療法は行われなくなり、牛乳を大量に摂取する事やアルカリ製剤を併用する事が稀な事から、牛乳と制酸剤の併用を注意する記載が見られる事はなくなってしまいましたが、意外なところでミルクアルカリ症候群の発生を懸念する意見に触れてしまいました。


第2770回 肥大と拡大、肥満(1)



 健康診断などで行われる胸部レントゲンの検査は、基本的には肺の状態を見る検査ですが、同時に心臓の状態も確認する事ができます。その際、医師からレントゲンを眺めながら「心臓が大きいですね」といわれてしまう人もいて、すぐに心臓肥大を考えてしまいます。

 胸部レントゲン検査では左右の肺を中心に撮影が行われていますが、左右の間の下の方には心臓が写っていて、胸の幅を指す「胸郭」と心臓の幅の比率が50%を超えてしまうと、医師は「心臓が大きい」という表現を使って知らせる事になります。

 心臓が大きくなっている事を告げられると、心臓肥大担っているのかと尋ねてしまうのですが、この段階ではまだ心臓肥大ではなく、厳密には「心臓拡大」の状態にあるとされ、心臓肥大などの疾患を過度に心配する必要はないといわれます。

 心臓には「心室」と「心房」と呼ばれる部屋が左右に一つずつあり、心房は静脈から血液を受け取って心室に受け渡す役割、心室は心房から渡された血液を動脈へと送り出す役割を担っています。

 心室や心房の役割も左右で異なっていて、右心室は比較的距離が短い肺に向かって血液を送り出す事に対し、左心室は脳をはじめとする全身に向かって血液を送り出しています。

 右心房は全身を巡ってきた血液を受け取って右心室へと渡し、左心室は肺から新鮮な酸素を補給してきた血液を左心室へと送る働きをしています。

 そのため、最も大きな力を必要とするのは全身へ向かって血液を送り出す左心室で、通常でも筋肉でできた壁が厚く、大きな部屋となっています。

 心臓拡大とはそうした心室、心房のいずれか、もしくは全てが大きくなる事で心臓のサイズが大きくなっている状態で、それぞれが大きくなるにはさまざまな疾患が考えられるといいます。その中で何らかの理由で血液を送り出すために大きな力が必要となり、日々負担を掛け続ける事で筋肉である心臓の壁が厚くなり、心臓が大きくなっているものを心臓肥大と呼んでいます。



 

第2769回 象の恵み



 象は人間よりも大きな体を持っていますが、体を構成する細胞の大きさは人と象では大差がないため、象の方が遥かに多くの細胞を持っていて、それが大きな体を構成している事になります。

 細胞の数が多くなるという事は、細胞分裂が行われる総数も多くなり、細胞分裂の際の異常による突然変異の発生や細胞内の遺伝子が傷付いて損傷してしまう可能性も高くなり、象は人間よりもガンを発症するリスクが高くなってしまう事が考えられます。

 しかし、象の間でガンが少ない事は医師や生物学者の間では広く知られていて、長年、象がガンを発症しないメカニズムについては謎とされてきました。

 細胞の中には「p53」と呼ばれるタンパク質があり、傷付いてしまった遺伝子を修復したり、修復が困難なまでに傷付いてしまった際はアポトーシス(細胞死)を起こすように促す働きを担っています。

 人に限らずガンを患ってしまった動物の半数近くはp53タンパク質を作り出す遺伝子に異常が見られ、正常なp53タンパク質を作り出せない事がガンの発症に繋がった事を示唆しています。

 多くのデータから人がガンを発症してしまう割合は11~25%とされ、それに対し象は5%と非常に低い事が示されています。そこで人と象の遺伝子を解析した結果、p53を作り出す遺伝子の数が人に対して象は少なくとも10倍近くも多い事が判り、象のガンを抑制する力の強さが覗われています。

 また、人と象の細胞に放射線などを使って損傷を与えたところ、アポトーシスが起こる割合は健康な人の細胞の場合、8%程度である事に対し、象の細胞では14~22%と倍以上も高い事が確認されています。

 損傷した遺伝子を修復する力や異常な細胞を見付けて排除する力の高さが象のガンリスクを下げている事が判ったのですが、今回の結果を受けて新たなガンの予防や治療法の確立が望めるとの事から、象の恵みを享受したいと期待しています。


第2768回 新効能確認



 最近、何かと話題になる事が多いω(オメガ)3脂肪酸。DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などに代表される脂肪酸の一種ですが、DHAは学習能力を高めてくれる、鬱病を防いでくれる。EPAは血液をサラサラにしたり、血中コレステロール値を下げてくれたりといった働きを持つようにいわれますが、いま一つ漠然としているようにも感じられます。

 ω3脂肪酸は食を通して摂取する必要がある必須脂肪酸で、αリノレン酸やDHA、EPAなどが含まれています。DHAやEPAは体内で合成する事が可能なのですが、大元となるαリノレン酸が体内では合成できないために必須脂肪酸として扱われています。

 DHAはEPAに、EPAはDHAにそれぞれ必要に応じて作り変えられるのですが、脳や網膜などのリン脂質の主要成分がDHAである事や脳内で心のバランスを取る物質のセロトニンを作り出す原料となるのがDHAである事を考えると、αリノレン酸を摂取する目的の多くはDHAを作り出すためとも思えてきます。

 最近行われた研究では、ω3脂肪酸から作られる成分、「レゾルビンE1」に注目し、レゾルビンE1が炎症を引き起こす「炎症性サイトカイン」の発生を抑える事で皮膚アレルギーを抑制する働きがある事が示唆されています。

 接触性皮膚炎を起こしてしまったマウスを観察したところ、レゾルビンE1が皮膚の細胞の活動を抑え、免疫反応に関わるリンパ球の活性化を阻害する事で皮膚の炎症を抑える働きをしている事が観察されています。

 レゾルビンE1の働きや利用法がより詳細に解明されれば、これまでほとんどの治療が効かないとされていた難治性のアトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎などのアレルギー性皮膚炎の治療が飛躍的に向上する可能性があり、ω3脂肪酸という食品に含まれる成分でそれができれば理想的な事のように思えます。

 より効率良く働くDHAを含むとされるクリルオイル(オキアミ油)が製品化される中、DHAとの接し方の重要性が高まってくると考えています。


最2767回 スリムな訳



 我家の猫、通称「坊ちゃん」の食事には、坊ちゃんが猫草を一切食べない事から、毛玉対策用のフードと雄の猫に多い尿路結石を防ぐためのフードを合せ、それに桜エビとキビナゴのちりめんを混ぜて与えています。

 いろいろと試行錯誤の末に気に入った配合として落ち着いたのですが、混ぜ込む桜エビには市販のほとんどの物に使われている赤色4号などの着色料を含まない物、もしくは紅麹の色素によって着色された物を選ぶようにしています。

 坊ちゃんは家の中を好きなように走り回っているのですが、そうした運動に合せて紅麹の働きもスリムな体型の維持に役立っているのではないかと考えてしまう事があります。

 初めて紅麹の効能を知ったのは、アメリカでサプリメントの素材として注目を集め始めていた頃の事で、当時は紅麹を薬剤に指定するか否かで論争が行われていました。

 紅麹には「モナコリンK」という成分が含まれていて、血中コレステロールを低下させる働きがあります。食品由来のサプリだからという事で、それほど大きな効果は期待できないような感じがするのですが、モナコリンKにはコレステロール値を低下させる大きな力があります。

 モナコリンKには「ロバスタチン」という別名があり、ロバスタチンはスタチン系コレステロール低下薬として最初に市販化された成分であり、医薬品であるという事ができます。

 アメリカで論争となっていたのは、モナコリンKの強力な働きから、サプリとして扱ってしまうと過剰摂取による副作用を生じる危険性があり、処方薬扱いとする事で管理を確実化しようとする政府側と、薬剤に指定されてしまうと自由な販売ができなくなるとしたメーカー側の対立が元となっていました。

 その後、日本でもサプリとして売られているのを見掛けるようになったのですが、それほど大きな話題とならない事からモナコリンKの含有量はかなり抑えたものになっているのではと想像していました。

 小さなエビを赤く発色させるだけならそれ程の紅麹は使われていない事とは思いますが、血液検査をすると坊ちゃんの血中コレステロール値は低めで、それがスリムな体型や長生きに繋がってくれないかと密かに期待したりもしています。


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にんにく卵黄本舗の健康コラムです。
食と健康をキーワードに最新の医療情報から科学技術、食文化や献立まで毎日更新で幅広くお届けします。是非ご覧ください。

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