第2901回 受動被害



 これまでも、そしてこれからもタバコとは無縁の人生が続くのだとは思いますが、全く縁がないのかというと、ヘビースモーカーだった父親の影響で受動喫煙はかなりのレベルにあると思えてきます。

 子供の頃、実家は狭かった事や二段ベッドの上の方に寝ていた事もあり、朝から一服する父親のタバコの煙でむせて目が覚めてしまうという事が何度もありました。

 子供心にもいい加減にしてほしいと思っていたのですが、大人になった今では回りに誰もタバコを吸う人がいない事から快適に過ごせています。

 それでもコンビニエンスストアの入口付近に設けられた灰皿でタバコを吸う人や、分煙が完全ではない店舗などでタバコの煙に遭遇してしまう事があり、受動喫煙がまだまだ身近な問題なのだと思えます。

 先日、そんな受動喫煙によって死亡する人の数が年間で1万5千人に達するという推計が厚生労働省の調査によって示されていました。厚生労働省の研究班による調査によると、非喫煙者で家族や職場の同僚が喫煙している場合、受動喫煙が原因となって死亡する人の数は1万5千人に上ると推計され、前回調査の2010年の6800人から倍増した事になります。

 大幅に死亡者数が増えた背景には、それまで受動喫煙が肺ガンや心筋梗塞などに因果関係があるとされていたものが、新たに脳卒中やSIDS(乳幼児突然死症候群)にも関わっている事が考慮されたためで、今後、死亡に繋がる疾患との因果関係が明らかになれば死亡者数の増加がみられる事が予想されます。

 オーストラリアでは2017年から4年間、毎年タバコの税率を12.5%ずつ引き上げる事が発表されていて、1箱2000円程度という世界屈指の高値が3200円程にまで引き上げられるといいます。日本ではどのような対策が行われるのか、縁がないにしても気になってしまいます。


 
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第2900回 たぬきの謎



 握らないおにぎりの「おにぎらず」、挟まないサンドイッチの「サンドラズ」に続いておにぎりの一種である「たぬきおにぎり」が人気と聞かされました。たぬきうどんのおにぎり版との事なのですが、レシピを見てみると確かに美味しそうと思いながら、ふと疑問が生じてしまいます。

 たぬきおにぎりの作り方は、炊き立ての温かいご飯に揚げ玉と刻んだネギを加え、麺つゆで味付けをしておにぎりにするというもので、麺つゆでしっかりと味が付いている事からおかずなしでも美味しくいただけるとされます。

 美味しそうなレシピと思いながら考えてしまったのは、たぬきうどんのおにぎり版といわれても、たぬきうどんはきつねうどん程には定義が明確ではなく、地域によって大きな違いが生じているという事です。

 関東では揚げ玉をのせたうどんがたぬきうどんとして定着していて、何故、たぬきなのかについては、揚げ玉は天ぷらの一種ではあっても具であるタネがない事から、「たねぬき」と呼ばれていたものがたぬきに転じた。世田谷の砧家(きぬたや)で出されていたきぬたうどんの「きぬた」が逆さまに呼ばれるようになったと諸説があり、古くから親しまれていた事が感じられます。

 それに対し北海道でたぬきといえばかき揚げがのせられたものを指し、全国的に販売されているカップ麺でも小エビのかき揚げがトッピングとして使われています。

 大阪ではきつねうどんのように油揚げがのせられた蕎麦がたぬきと呼ばれていて、油揚げの味付けはきつねと同様に甘辛く煮付けられています。白っぽい色合いのうどんに対して、蕎麦は色合いが黒っぽくなる事からたぬきに譬えられたともいわれ、多くの店舗が揚げ玉を無料で提供している事から、揚げ玉をトッピングにしたうどんがメニューとして成立しない事も手伝って、たぬきというと蕎麦という事になっています。

 同じ関西でも京都では趣が大きく異なり、たぬきうどんというと細かく刻まれた油揚げの上から葛餡がかけられたうどんを指す事となります。大阪と違いきつねはうどん、たぬきは蕎麦という明確な違いがないため、単にたぬきとだけ注文するとうどんか蕎麦を確認されるという事もあります。

 単にたぬきうどんといってもかなりの差異がある事と思いながら、そのおにぎり版であるたぬきおにぎりにも京風や北海道風といったバリエーションが生じるのかと、密かに期待しています。


第2899回 籠城の困った名手



 子供の頃、「貴方達が大人になる頃には、ガンは盲腸と同じように困った病気ではあっても怖い病気ではなくなっている」と聞かされた事がありました。約束された訳ではないのですが、未だに果たされる目途も立たない約束のようにも思えています。

 ガン幹細胞と呼ばれるガン細胞を創り出す能力を持つ細胞は、放射線療法や化学療法に対抗して生き残る事ができる事が知られています。大きな理由としては「ニッチ」と呼ばれる特殊な空間を作り出して、自らの生存を助ける能力を持っているためとされます。

 ニッチはガン幹細胞を取り巻く微小な環境で、人の体内でありながらガン幹細胞の身を守り、暮らしやすさを確保した独立した環境となっており、さまざまな治療からガン幹細胞を守るシェルターの役目を果たしています。このニッチを破壊する方法を見付ける事が、完全なガン治療に繋がると考えられています。

 ニッチの中ではガン幹細胞は細胞外マトリックスやガレクチン、鉄分を運搬するタンパク質のトランスフェリンなどを作り出している事が判っていて、細胞外マトリックスやガレクチンはガンの組織の維持やニッチの中に引き込んだ毛細血管から栄養を奪い取る働きを持ち、トランスフェリンはガン幹細胞に必要な鉄分の供給を行っています。

 ガン幹細胞は治療という攻撃を回避するシェルターを作り、その中で可能な限り快適に過ごせる環境を作り出しながら、ひたすら治療の効果が低下するのを待ち、その時がくると一気に増殖に転じてガンの再発を引き起こしている事になります。

 ガンの研究が進むに連れて、ガンという病気を克服する事の難しさばかりが目立ってくるように思えます。戦に勝利するには相手をよく知る事。籠城の名手と判っただけでも一歩前進したのかもしれないと思えてきます。


第2898回 肝解禁?



 実家のある牛深は漁港として知られ、養殖も盛んに行われています。以前、そんな牛深の養殖事情として聞かされた事に、あまり有名にはなっていませんがフグの養殖が盛んに行われていて、かなりの出荷量となっているといいます。牛深で養殖されたフグは牛深産として出荷されるのではなく、名産地の下関へと送られた後、下関で育てられて下関産として出荷されるとの事でした。

 養殖している割には牛深においてフグを見ないと感じるのですが、ほとんどが下関へと送られてしまう以上に現地にはフグを調理できる料理人がいない事が大きいとも思えます。

 フグの毒はテトロドトキシンと呼ばれ、猛毒として知られた青酸カリの850倍ほどの毒性を持つとされます。加熱によっても分解しない事から、調理しても強力な毒性が残るため、フグの調理には特別な知識と技能を習得し、免許を得た調理人が当たる必要があります。

 それだけ注意が必要なフグの毒ですが、フグ自体が作り出しているのではなく、バクテリアが作り出したものが食物連鎖によって生体濃縮されてフグに供えられていると考えられています。

 その仮説に基いて、殺菌した海水を使って海から切り離した陸上で養殖を行う事で、完全に無毒化したフグを育てるという事が行われています。毒を作り出すバクテリアや濃縮する食物連鎖が存在しない環境で育てれば無毒のフグができるという取り組みですが、実際に養殖された1万匹のフグからは毒が検出されず、安全なフグの提供に期待が寄せられています。

 そうした無毒化フグの養殖に関して、猛毒があるとされながら美味であるといわれる肝臓の食材としての利用解禁が厚生労働省に申請が出され、物議を醸しています。

 フグ毒に関する仮説が正しいのであれば、無毒環境下で育成されたフグは完全な無毒フグとなるのですが、仮説に誤りがあり、フグ自身も毒を作る能力を持ち合わせた場合や流通の過程で通常の有毒フグが混入してしまった場合など、命に関わる事態も想定されます。

 以前、フグの取り扱いに関するマニュアルを見た事があり、取り出した内臓の保管や廃棄について少々大げさすぎるように感じた事がありました。それだけ厳重にしなければならない毒物の解禁、非常に複雑な問題を含んでいるようにも思えます。


第2897回 カレーとジャガイモ(2)



 カレーとジャガイモの関わりについて、煮崩れる以前の問題として、カレーにジャガイモを入れるかどうかというジャガイモの存在そのものに関わる議論が数多く行われています。

 カレーにとってのジャガイモはタマネギ、ニンジンと並ぶ「三種の神器」の一つとなっていて、アンケートによっては95%以上の人がカレーの具材としてジャガイモが欠かせないと答えるといいます。

 それだけカレーの具材として定着しているジャガイモですが、イギリス経由で日本に伝えられた際、カレーの具材として使われてはいませんでした。イギリスでは、カレーは肉を食べるためのソースとして捉えられていて、シンプルである事が求められるためで、カレーにジャガイモが入るようになったのは日本においての事といえます。

 日本の文献においてカレーの材料としてジャガイモが登場するのは、明治29年(1896年)の事で、その後の明治36年(1903年)には雑誌に具体的な使い方が紹介されていて、「わさびおろしですりおろす」と書かれている事や、レシピの中に小麦粉がない事からジャガイモを使ってとろみを付けていた事が判ります。

 カレーとジャガイモの関わりを深めた功績は海軍にあるという事ができ、保存性が高く長期の航海に耐えられる野菜としてジャガイモ、ニンジン、タマネギが艦内に常備されるようになり、それらを使ったカレーが調理され、全国に広まって現在の「三種の神器」が形成されたという事ができます。

 ジャガイモは日本のカレーの歴史に深く根ざしている事になりますが、具体的な実験ではジャガイモを入れない方が味の輪郭がはっきりして美味しく仕上がるという結果も得られています。

 ジャガイモに多く含まれる旨味成分のグルタミン酸は、さまざまな味の角を取ってマイルドに感じさせる働きがあり、デンプンによる油分と水分の結合というエマルジョン作用はコクを引き立て、スパイスの過度の刺激を抑えてくれます。

 そうした働きによってマイルドに仕上がる事が味の輪郭がぼやけてしまうと感じさせてしまうと考えられ、確かにスパイスや肉の旨味を愉しみたいのであればジャガイモは不要と思えてきます。

 それではどちらを選択しますかと問われると、カレーはさまざまな具材の旨味が混然一体となったものであってほしいという思いから、やはりジャガイモは必要と思えてきます。


第2896回 カレーとジャガイモ(1)



 母親と妹が遊びに来てくれた際、一人暮らしではろくな物は食べていないだろうと心配したのかカレーを作ってきてくれました。手渡しながら、「ジャガイモが煮崩れてしまった。ごめん」といわれたので、全然気にしない事を伝えながら、ふとカレーのジャガイモが煮崩れてしまう事は、何故良くない事なのかという疑問が浮かび上がってきます。

 ジャガイモが煮崩れてしまう理由は、ジャガイモの細胞同士を繋いでいるペクチンが80度以上の温度にさらされる事で変化してしまい、細胞を繋ぎ止めておく事ができなくなる事にあります。

 そのためより高温で長時間熱するとジャガイモは煮崩れやすくなる事になり、煮込み料理でもあるカレーにおいては、ジャガイモの煮崩れは避けられない事のように思えます。

 ジャガイモが煮崩れる事を嫌う理由を探してみると、最も多くを占めているのは食感の変化にある事が判ります。煮崩れたジャガイモの粒子が独特なサラサラ感を出して、カレールーの滑らかな食感を邪魔してしまうとされるためですが、逆に煮崩れて中に含まれていたデンプンが流出する事で新たなとろみを加えてくれるという考え方もできます。

 カレーは作った当日よりも温め直した翌日の方が美味しいといわれる事があります。その美味しさに大きく貢献しているのがジャガイモの煮崩れとされ、ジャガイモに豊富に含まれる旨味成分のグルタミン酸や脂分と水分を繋いでコクを出すデンプンなどがカレーの中に流出する事が大きく関わっています。

 煮物や煮込み料理では、素材の煮崩れは全般的に良くない事とされ、そのための下拵えや調理の工夫が多く伝えられていますが、カレーはご飯に絡ませるという食べ方からあまり素材感は残らない方が良いようにも思えます。

 そんなカレーのジャガイモについて、ある機能的な要求がジャガイモが荷崩れしてはいけない理由として存在する事を聞かされた事があります。

 多くの場合、カレーは大きな鍋でたくさんの量が作られ、さまざまな人に供されます。その際、味やスパイスに対する好みが分かれる事が考えられ、人によっては辛味が許容できる範囲を超えてしまっている事もありえます。

 そんな際、具材のジャガイモを潰して全体に混ぜ合せると、思いの外、スパイスの辛味が軽減されて食べやすくなるといいます。そのため、ジャガイモは味の最終調整という役割のために、選択の余地が残るように煮崩れてはいけないというのですが、真偽の程は定かではないと思えます。

 最初にジャガイモを炒める際に少量のバターを加える。事前に電子レンジで加熱して、充分に冷ましてから加えるといった方法で煮崩れなくなる事から、ひと手間で荷崩れ防止が図れるのですが、本当に煮崩れない方が良いのか疑問は残されたままとなっています。

 

第2895回 三日月の秘密



 子供の頃、初めてクロワッサンと出会った時は、立ち上るバターの香り、パリッとした表面にふんわりとしながら引きのある層状の中身と、この上なく贅沢なパンに出会ったと思えました。今でも大好きなパンの一つとなっていて、焼き立てのものが出てくると、つい多めに買ってしまいます。

 どのようにしてクロワッサンが生まれたのか、それについては1683年にトルコ軍の包囲を打ち破ったウィーンで勝利を記念してクロワッサンが焼かれたと聞かされていました。

 また、別な説では1686年にオーストリアのハプスブルグ家がブダペストをトルコ軍から奪還した事を記念して作られたともいわれ、いずれにせよ17世紀から続く古い歴史を持つパンだと思えます。

 しかし、実はそうした由来は真実ではないとされ、実際、20世紀の初頭にフランスの料理本に書かれた調理法が文献上の初出とされ、それ以前の文献にはレシピらしきものは一切発見されていません。

 強大なトルコ軍を撃破した記念となると、かなり大々的な祝賀が行われた事が考えられ、その際に生まれた贅沢なパンに関する記載は大量に残っていて当然とも思え、20世紀まで記載が見られないという事はそれ以前には存在しなかったように思えます。

 トルコ軍を破ったハプスブルグ家は、当時のヨーロッパでは絶大な勢力を誇っており、オーストリアの宮廷では全ての分野でヨーロッパ一の職人を雇っていたとされます。オーストリアからフランスへ嫁いだマリー・アントワネットにも多くの優れた職人が随行する事となり、その頃、最も評価の高かったデンマークのパン職人がパン作りを担当していました。

 デンマークのパン職人がマリーのためにデニッシュ・ペストリーの生地で焼いたパンが最初のクロワッサンではないかと考えられていて、贅沢な作りのパンであった事から普及が遅れ、文献上の登場が遅くなった理由と考えられています。

 トルコ軍に勝利した記念として、トルコの国旗にも描かれていた三日月の形に焼き上げられるといわれていたクロワッサンですが、その形には意味があり、層状の生地を巻いて菱型にした直線的なものは「クロワッサン・オ・ブール(バターのクロワッサン)」と呼ばれてバターを生地に挟み込む事で幾層もの重なった生地を作り出しています。

 それに対し両端を曲げて三日月の形に仕上げられるものは「クロワッサン・オルディネール(日常のクロワッサン)」と呼ばれて、生地に使われる油脂はマーガリンなどの安価なものが使われるようになっています。

 日本ではそこまで厳密ではないと考えられ、最も見慣れている三日月形のクロワッサンにこだわりのバターが使われていたり、良いバターの風味と思うと、原材料の一部にバターを使ったコンパウンド・マーガリンだったりする事も見られます。

 バターを使用した直線的なクロワッサン・オ・ブールが高級で本来のものという感じがするのですが、クロワッサンという言葉自体が三日月の意味である事から、三日月形のクロワッサン・オルディネールが大本とも思えてきて、クロワッサンの不思議な世界を深めてくれるようにも思えます。


 

第2894回 判断の違い



 以前と今のニュースの内容を比べると、心肺停止状態という言葉を聞く事が多いと感じます。置かれた状況や経過した時間から聞いている側からも死亡が確実なように思えたり、実際に接した警察官や消防隊員の目にも確認できている事なのに、何故、曖昧な表現にしているのかと思えてきます。

 心肺停止状態はその言葉通り、心臓と呼吸が停止した状態で、心音を聞いたり肺の動きを観察したりする事で確認する事ができ、一般人である私にも判断して心肺停止状態にある事を宣言する事ができます。

 一旦、心肺停止状態となっても速やかに心臓マッサージやAED(自動体外式除細動器)、人工呼吸などによって蘇生する事があり、完全に死亡した状態にはない事は解るのですが、血流が停止して脳に血液が届けられなくなると4、5分で脳細胞は回復不可能なダメージを受けてしまう事から、あまり心肺停止状態は長くは続かないように思えます。

 日本では死亡を確認する場合、心臓の動きと呼吸、脈拍の停止に瞳孔散大の4点を確認した医師によって「死亡」が宣言されてはじめて死亡となると定められている事から、医師以外が死亡を宣言する事ができず、事故や災害の現場に駆け付けた警察官や消防隊員、自衛隊員では死亡の宣言ができないために心肺停止状態となってしまいます。

 脳死の判断も含め、人の命に関わるという事もあり、複雑な事情が言葉に反映されているのだと、改めて思ってしまいます。

第2893回 王と玉



 未だにやり方が判らず、縁がないものとなったままの一つとして将棋があるのですが、高名な棋士の対局のニュースなどを見ていると憧れるものがあり、いつかは覚えたいと思い続けたままとなっています。

 知的なゲームへの憧れ以上に将棋の駒や将棋盤を眺める事も楽しく思え、直線を引くために日本刀の刃に漆を塗って仕上げられるという職人の技や、高名な作者のものには驚くほどの高値が付くという事も興味深く思えてしまいます。

 将棋の駒はそれぞれが対になっていて、歩兵、香車、桂馬、角行、飛車、銀将、金将とある中、王将だけが一対ではなく片方が玉将となっていて、それぞれを区別するためとはいっても王と玉ではずいぶんと格が違うように思えていました。

 駒の中でも一際大きく、お気に入りとなっている王将なのですが、玉将はあまりありがたくないように感じられ、余計な点を付けられたように思えます。しかし、本来は玉将が元になっていて、玉将から点が除かれたものが王将となっています。

 駒の上位は金、銀と貴金属となっていて、価値基準が位の高さを示しています。玉は宝石を意味していて、金銀よりも高価な宝石である事から最高位の駒として玉将とされていました。

 王将はそんな玉から点を除いて後に作られたもので、一説には豊臣秀吉が最高位の駒が似ている字でありながら王ではないという事が気に入らないとして玉将を王将としたとされ、その際、王は一人で良いとして片方は玉のまま残されたともいわれます。

 先日、たまたま知る事となったのですが、棋譜の読み上げの際は王将も玉将も「ぎょく」と読まれるとの事で、また、局面図に記載する際も王ではどちら向きなのかが判らないために、向きが判別できる玉として書かれるとの事でした。

 両駒共に機能的な違いはないのですが、決まり事として上位の者が「王将」、下位の者が「玉将」を使うとなっているそうなので、金銀の上の玉、その上は王と思えて、将棋の世界観をより興味深く感じさせてくれます。


第2892回 巨大損失



 食中毒というと、かつては気温が高くなり始め、湿度も高い梅雨の時期が心配されていましたが、最近では冬場に多く見られるようになってきています。

 冬に食中毒が増えた最大の理由はノロウィルスの流行にあり、感染力が非常に高い事から一人の感染者から多くの二次感染が懸念され、患者数を増やす事となってしまいます。

 先日も熊本地震の避難所での感染が確認され、被災によるストレスで免疫力が低下した避難者の間で感染の拡大が心配されていました。

 日本では年間にノロウィルスによる胃腸炎の発生は100万人に上るとされ、全世界では7億人もの人がノロウィルスに感染し、病院へ通院したり休暇を取って療養したりしているとされます。

 米国、ジョンホプキンス大学公衆衛生学の研究グループによる試算では、ノロウィルスに感染して病院へ通院したり、仕事を休んだりした事による経済的損失は6兆円に上るとされ、激しい症状によって感染した本人が苦しむだけでなく、社会的にも大きな損失が生じている事が判ります。

 胃腸炎の治療のたけに使われる医療費だけでも全世界で年間に4500億円が使われているとされ、影響の大きさを覗う事ができ、感染を防ぐ事が如何に大切かという事を強く感じさせてくれます。


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にんにく卵黄本舗の健康コラムです。
食と健康をキーワードに最新の医療情報から科学技術、食文化や献立まで毎日更新で幅広くお届けします。是非ご覧ください。

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