第3025回 基礎代謝の違い



 以前、車を修理に出した際、代車としてお借りした軽乗用車が異常にアイドリング時の回転数が高い車で、信号待ちをしている間もアクセルを踏み続けている感じで、運転していて何となく落ち着けないという事がありました。

 そのせいか修理中の愛車と比べて燃費がとても悪く、修理が終わるまでの間、数日おきにガソリンスタンドへ通う必要に迫られていました。その際に思った事が、アイドリング中という車が何もしていない時に消費するエネルギーが大きい、いわゆる基礎代謝が高いという事が日常的なエネルギー消費に大きな影響を与え、ダイエットに有効と実感できました。

 適度な運動を通してカロリーを消費し、筋肉量を増やす事で基礎代謝を上げる。リバウンドの可能性が少ないダイエット方法として広く定着している考え方だと思えます。そんな絶対的とも思えるダイエット方法が揺らぐようなレポートが先日報告されていました。

 体型が華奢であったり筋肉質であったりといった事は、それほど基礎代謝には影響を与えてはおらず、筋肉量を増やして基礎代謝を高め、ダイエットするという考え方は成り立たなくなってしまいます。

 基礎代謝の約20%は筋肉による消費とされます。そのため筋肉量の増加はエネルギーの消費量を増やして、カロリーの収支を改善してくれるように思えるのですが、筋肉による基礎代謝のほとんどが熱の生産である事を思うと、華奢な人も筋肉質の人もそれほど体温には違いがない事が思い浮かんできて、筋肉量と基礎代謝にはそれほど関連がないように思えてきます。

 筋肉の量が多くなると効率よく熱を作り出して体温を維持する事ができるので、筋肉による熱の生産はそれほど大きなエネルギーを必要とせず、逆に少ない筋肉量では熱の生産に大きなエネルギーが傾けられる事が考えられ、結果的に基礎代謝は大きな違いとなってこないという結論が得られる事が判ります。

 それでは筋肉を付けても痩せないのかというとそんな事はなく、筋肉量が多くなると活動代謝が増える事から、筋肉量を増やした上で運動を行うと、より多くのエネルギーを消費する事になり、ダイエットに有効という事ができます。基礎代謝ではなく活動代謝によるダイエットに繋がる筋肉の増量は、これからも失敗の少ないダイエット法として続けられていくと思えます。


 
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第3024回 櫓と掘りと天板



 坊ちゃんは猫という事もあり、冬場はコタツがお気に入りとなっています。私がコタツに入ると、私の足にもたれかかってくるので、せっかく寝ている坊ちゃんを起こさないようにと極力動かないようにしていて、入る事で活動量が激減するという意味では、以前、インターネット上で見付けた「ダメ人間製造機」というコタツに関する解説を思い出してしまいます。

 コタツの誕生は室町時代にまで遡るとされ、当時の家は密閉率が低かった事から暖房の効率を高めるために囲炉裏の上に櫓を組み、布団を掛けた事がはじまりとされます。

 やがて櫓を組む事を前提に囲炉裏を床と同じ高さに下げる工夫が見られるようになり、掘りコタツが登場する事となるのですが、今日のような腰掛けて入る事を意図した本格的な掘りコタツが誕生するのは明治42年(1909年)の事となっています。

 東京の上野に住んでいたイギリス人のバーナード・リーチが日本人のように正座をする事を苦手としていて、自宅のコタツを腰掛けて入る事ができるように掘り下げた事が最初とされます。それを志賀直哉や里見弴が随筆の中で誉めた事がきっかけとなり、全国に知られる存在となって普及していきます。

 今日では冬場だけでなく、暖房が必要ない季節には布団を除いてテーブルとして年中活躍するコタツですが、櫓を覆う布団の上に天板を乗せてテーブルとしての機能を持たせるようになったのは、意外なほど歴史が浅い事となっています。

 コタツ板とも呼ばれる天板は、元々はコタツに入ったまま食事ができるようにと宿屋で始まったとされ、1950年代の終わり頃に一般家庭にも普及したとされます。

 大手家電メーカーの1957年のカタログにはコタツ板がなく、昭和の庶民の暮らしを描いた漫画の「サザエさん」にもコタツ板が登場するのは1959年以降の事となっています。

 私にとっては坊ちゃんと一緒に過ごせる大切な暖房器具ですが、同時に愛用のノートパソコンを使う事もでき、熱源の電化や天板の存在など、コタツの進化をありがたく思ってしまいます。


 
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