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第3076回 大気油田



 地球が誕生した頃の大気は主に窒素、水蒸気、二酸化炭素と火山から噴出した硫黄酸化物によって構成されていたと考えられています。その中でも特に二酸化炭素が多く、今よりも遥かに高濃度であったとされ、動物の生存には適さない状況であったと推定されています。

 そうした高濃度の二酸化炭素の大気の中、光合成を行う事のできる植物プランクトンのような生物が海中に誕生し、盛んに光合成を行って二酸化炭素を分解して酸素を放出する事で大気の成分の中に酸素が存在するようになり、動物プランクトンの誕生素地を作り出していきます。

 植物プランクトンは光合成によって太陽光と水からエネルギーを作り出し、動物プランうトンはそれを捕食する事で生命を繋ぐという営みが続けられ、プランクトンたちは一生を終えると海中深くへと沈んでいき、堆積して地層を形成しながら長い時間を掛けて加熱・加圧を受けて変性して石油などへと変化していきました。

 今日、私たちは石油の恩恵を受けて日常生活が成り立っていますが、化石燃料とも呼ばれる石油を燃焼する事で発生する二酸化炭素は、当時の植物プランクトンが光合成によって固定化したものであり、現代に放出すると大気中の二酸化炭素量を増やしてしまう事となり、地球温暖化を進めてしまうとされています。

 木を育て、それを薪として使用して発生する二酸化炭素は、木が生長する際に光合成によって固定化したものである事から、大気中の二酸化炭素を増やさないゼロエミッションといわれる状態となります。それに対し化石燃料の使用は太古の昔の二酸化炭素を現代に放出する状態になるため、地球温暖化を促進するとして特に化石燃料の使用が顕著になった産業革命以降の気候上昇に関わっているとされます。

 時を超えた二酸化炭素の放出を止めるためにも化石燃料の使用を抑えたいと思えてくるのですが、現代社会において化石燃料の使用をただちにやめるという事は非常に難しいという事は容易に想像できてしまいます。そんな中、とても気になる技術が開発されていました。

 カナダの企業、カーボンエンジニアリングが開発したシステムでは、大気をフィルタリングする事で二酸化炭素を回収して純度の高い炭素を抽出し、水素と反応させる事で炭化水素を作り出す事が可能となっています。

 炭化水素は化石燃料の主成分となっており、システムの稼動によって大気中の二酸化炭素から燃料を作り出す事ができ、そうして得られた燃料を燃焼しても発生する二酸化炭素はゼロエミッションであり、地球温暖化を促進する事なく使用する事ができます。

 システムによる二酸化炭素の回収能力は森林よりも遥かに大きいとされ、温暖化抑制のために植林を行うよりも効果的とされます。植林は樹木が育つまでの時間や、地質や気候などによって向き不向きがあるのに対し、システムの設置は場所を選ばず、昼夜も選ばないというメリットも持っています。

 二酸化炭素の排出抑制のために電気自動車へのシフトがいわれていますが、大気という油田から採られた燃料を使用して走るエンジン車という選択も近い未来には登場するのかと思えてきます。2040年にはガソリン車の販売を禁止する事を決めた国も見られていますが、再考の余地があるのかもしれないという気がしてきます。


 
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第3075回 究極のエコ



 家庭でもできるエコ活動が意識されるようになって久しく、さまざまなエコに繋がる事が実践されています。ちょっとした工夫や節約が大きなエコに繋がる事もあるのですが、意外な事が意識されておらず、最も効果的な方法が見落とされているともいわれます。

 少々極端にも思えますが、家庭でもできて、大きな効果を上げるエコ活動、それは肉類と乳製品の消費をやめる事だといわれます。現在、肉類と乳製品は人が摂取するカロリーの約18%を占めるとされますが、それらを生産するために農地の83%が使われ、温室効果ガスである二酸化炭素の排出量の60%の原因となっているとされ、その影響の大きさを覗わせます。

 オックスフォード大学とスイスの研究機関による共同研究チームが世界の4万にも及ぶ農場を対象にデータベース化を行い、水の使用量や温室効果ガスの排出に関する調査を行い、環境への負荷が大きな食品についての割り出しを行っています。

 世界119カ国に及び世界で消費される食料の90%をカバーできるというデータベースから割り出された食料の生産工程で、最も環境負荷が大きな食品は肉類と乳製品である事が判明し、牛肉100gを生産するために排出される温室効果ガスの量は豆腐100gを生産する際の25倍にも及ぶ事が判っています。

 さまざまな食品を100g生産するために排出される温室効果ガスの量は牛肉の50kgを筆頭にチーズ11kg、鶏肉5.7kgとなっており、同じタンパク源としても豆腐では2kgとなっています。

 試算によると世界中の人が肉類と乳製品の使用を完全にやめてしまえば、世界の75%の農場が不要となり米国、中国、EU、オーストラリアを合わせた面積の土地を自然環境に戻す事ができるとされます。人と陸上の哺乳動物の86%を占めているともいわれ、地球の生態系に大きな負担を掛けているともいわれます。

 研究チームによると「環境を守る上で最も効果的な手段は、完全ねベジタリアンになる事だ」と述べていて、温室効果ガスを排出しない電気自動車を購入したり、日常生活で使用するエネルギー消費を抑える努力をするよりも遥かに効果的であるとしています。

 全人類の完全ベジタリアン化や肉類、乳製品の全面禁止という事は現実的とは思えませんが、少しずつ消費量を減らすだけでも巨大な効果を生む事が考えられるといいます。廃棄食料の問題とも絡めて考えると、より効果の大きな環境保護の手法となるのかもと思えてきます。

 

第3074回 不便の代償



 勝手な思い込みで頭が良いといわれる人は、子供の頃からたくさん本を読んだ、もしくはたくさん勉強をした事の副作用としてメガネを掛けているというイメージがあります。早くから目を酷使してしまったために目を悪くしてしまったと思ってしまうのですが、実はそうではなく、良い頭に生まれた人にはメガネを掛けるという運命が伴っていたという事が最近の研究で判ってきています。

 イギリス、エジンバラ大学の研究プロジェクトによる一般的な認知機能や視力、寿命といった健康に関わるさまざまな要因と遺伝に関する研究によると、幾つかの遺伝子的要素の間に関連がある事が判り、一般的な認知機能に優れる事とメガネを掛けている事の間にも相関関係が認められ、認知機能が高い人はそうでない人と比べて28%も高い確率でメガネが必要となる遺伝子を持っているという結果が得られていました。

 研究プロジェクトではCHARGE(ゲノム疫学心臓・老化研究コホート)やCOGENT(認知ゲノミクスコンソーシアム)、イギリスのバイオバンクに登録されている16歳から102歳までの30万486人を対象に認知データと遺伝子データを統合する事で、一般的な認知機能と関連のある148の遺伝子を特定しています。

 それらの遺伝子は、身長や体重といった身体的特質や肺ガンやクローン病などの医学的特質、統合失調症や自閉症などの精神医学的特質と関連しているとされ、さらに一般的な認知機能と健康にまつわる52の特質との遺伝的相関を分析した結果、36の特質において認知機能との間に顕著な相関関係がある事が認められています。

 それによると認知機能に優れているほど近視になりやすく、遠視にはなりにくい。高い確率でメガネやコンタクトレンズを必要としており、握力が強く、高血圧や心臓発作、狭心症、肺ガン、変形性関節症、抑うつ障害にも罹りにくいとされています。

 同じような研究結果は過去にも発表されており、1988年にデンマークで行われた研究では1万5834人の18歳の男性を調査した結果、37.5%が近視で試験の成績が他の学生よりも大幅に良く、教育レベルも高い状態にある事や2015年には双生児初期発達の研究の中で、近視と知能指数との間に遺伝子的関連性がある事が発表されていました。

 メガネを必要とするという事は、普段の生活の中では何かと不便な事も多いとは思うのですが、頭が良く、高血圧や心臓発作、狭心症、肺ガン、変形性関節症、抑うつなどのリスクが低減されるとなれば、悪くない天からの贈り物のようにも思えてしまいます。

 
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にんにく卵黄本舗の健康コラムです。
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