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第2691回 森の老化



 樹木を移動させるには3月頃が良いと聞かされた事があるので、近くの沢を登って沢沿いの土手が崩れ、上に自生していた樹木が倒れているのを見付けて、運べる大きさの物を庭に移植するという事をしていました。最近は途絶えていたのですが、久々に行ってみると私が運べる程度の樹木どころか大きなスギが何本も沢に倒れ込んできていて、あまりの迫力に恐怖を感じてそのまま帰ってしまう事となりました。

 日本が高度成長期を迎えた頃、これからはマイホームを持つ時代が到来するので木材が必要になるとスギやヒノキが盛んに植樹されました。しかし、植えられた木々が充分に育ち、伐採されて建築用の木材となる頃には安価な輸入資材が普及する事となり、山から切り出しても利益が上がらない状態となっていました。

 自然林を切り開いて大量に植樹されたスギは毎年花粉を飛ばしてスギ花粉症という社会問題を起こし、伐採しても利益が上がらない木材価格は林のメンテナンスの放棄、間伐されず荒れた林は大雨による土砂崩れなどの新たな問題を生じるようになってきました。

 切り出される事なく年を重ねた木々は老木化し、盛んに成長していた頃のように栄養を必要しなくなって、老木の林では植物の栄養である窒素が余る自体が発生しているといいます。

 そうした余剰窒素は雨によって流されて河川へと入り、最終的には海に辿り着く事となります。窒素が多くなった海水は富栄養化した状態になり、藻類の異常繁殖を引き起こして溶存酸素の低下による水産資源の損失に繋がる事が確認されています。

 日本では森林面積の約30%が植林されたスギやヒノキの林とされ、今後、老化が進む事で弊害の顕著化が懸念されます。老木を伐採して自然林に戻す事で回避する事が可能ではありますが、膨大なコストと下落した木材価格という森林問題の根底に行きついてしまいます。林業の現状が漁業の未来にリンクしてしまっているので、何か良い対策はないものかと考えてしまいます。


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