FC2ブログ

第2701回 時短の試み



 先日、とても興味深い実験のレポートを拝見しました。カレーなどの洋食を作る際、タマネギを時間を掛けて炒め、飴色のトロトロの状態に仕上げる事があるのですが、その際に必要となる時間を短縮するというもので、面白い事を考える人もいるものだと興味深く見てしまいました。

 タマネギには旨味成分のグルタミン酸や果物並みの甘味が含まれているのですが、刺激的な辛味と臭味のためにそれを感じる事ができなくなっています。薄切りにしたタマネギを時間を掛けて炒める事で揮発性のある辛味や臭味の成分がなくなり、水分が除かれて味が濃縮され、メイラード反応によって飴色と呼ばれる色合いと独特な風味が加わるとタマネギの旨味や甘味は料理の美味しさを引き立ててくれるようになります。

 そのため時間を掛けてタマネギを焦がさないように炒めるのですが、実験ではその際に必要となる時間を短めるための手法として、飴色タマネギの成立に重要な役割を担うメイラード反応を円滑に発生させるという事に焦点が当てられていました。

 メイラード反応はさまざまな状況下で生じますが、アルカリ性でより良く起こる事から、実験では重曹を加える事で薄切りにしたタマネギをアルカリ性にして早期にメイラード反応を起こさせてタマネギを炒める時間の短縮が図られていました。重曹であれば65度以上の熱によって急激に分解し、炭酸ナトリウムや二酸化炭素、水になるだけなので、それほど味にも影響しないと思えます。

 結果としては通常の炒め方と同じような質感と色合いになるのに半分の時間で仕上がったのですが、食べてみると甘味が少ないとの事で、その理由を炒める時間が短い事から水分が除かれた量が少なく、味が濃縮されていないためとされていました。

 炒め時間が短い事で除かれた水分が少ない事も考えられるのですが、硫化アリルなどの成分が残されていて甘味をマスキングしてしまう事やアルカリによってグルタミン酸が分解されてしまった事も考えられるので、細かな分析を掛けるとどういう結果が得られるのかと気になってしまいます。

 似たような事は自分でも行っていて、タマネギを炒めはじめた際、少量の塩を加えるようにしています。塩によって浸透圧が高まり、タマネギの水分が素早く出てきてくれる事からタマネギが柔らかくなるのが早まり、炒める時間も短くなってくれます。

 最近、カレーを作っていないと思いながら、次は飴色タマネギをたくさん作って、タマネギの甘味を活かしたカレーを作ってみようと考えています。


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kcolumnist

Author:kcolumnist
にんにく卵黄本舗の健康コラムです。
食と健康をキーワードに最新の医療情報から科学技術、食文化や献立まで毎日更新で幅広くお届けします。是非ご覧ください。

リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR