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第2737回 意外な危険



 秋が近付いてくると秋の味覚という事が気になり、年間を通して見掛けていてもキノコに注目してしまいます。以前ほど新手の栽培種に出会う機会は減ってしまいましたが、スーパーの生鮮売り場でキノコを眺めているのも楽しいと思えてきます。

 シイタケをはじめとするキノコには三大旨味成分の一つとされるグアニル酸が多く含まれている事から、煮込み料理などに加えると食感がアクセントになるだけでなく、味に深みを加え、出汁の旨味を増強する働きをしてくれます。

 身近な存在であるキノコなのですが、実は正確にはどのくらいの種類のキノコが地球上に存在するのかといった事は判っておらず、おそらく4000~5000種類程度だろうというアバウトな把握のされ方しか行われていません。その中のおよそ100種類ほどが食用になり、40種類ほどが毒キノコだろうといわれているのですが、ほとんどのキノコは食べられるのか毒があるのかといった事も判っていない事になります。

 近年では2004年に19人の死者を含む59人の食中毒を起こして、それ以降、毒キノコといわれるようになったスギヒラタケが記憶に新しく、少し古い図鑑には食用キノコと記載されている事からもキノコの毒性の判断の難しさを感じる事ができます。

 日本ではシイタケによく似ていて、専門家でも見分けが難しいといわれるツキヨタケやシメジによく似たクサウラベニタケ、シイタケ似のカキシメジが三大毒キノコとして知られていますが、意外と身近なところにも危険なキノコが存在しているともいわれます。

 命に関わる事はないとはいわれますが、馴染み深いエリンギやマイタケはシアン産生菌に含まれていて、生食すると腹痛を起こす程度の青酸化合物を含む事があるとされ、食用キノコの代表格ともいえるシイタケも生で食べると全身に湿疹がでる「シイタケ皮膚炎」を起こす事があるとされます。

 高価なキノコとして知られたマツタケもアレルギー症状を引き起こすヒスタミンなどを含んでいる事から、生食する事で胃腸炎などのアレルギー症状を引き起こすといわれています。

 いずれのキノコの毒性も熱には弱いために充分な加熱を行う事で危険性はほとんどなくなるのですが、安全な食材としての認識が定着している事からバーベキューなどで加熱が不充分な生焼けのものを食べたり、焼いて縮んでしまう事を嫌って火を充分に通さなかったりすると危険性が残される事が考えられます。

 また、欧米には一部のキノコを生でサラダに加えて食べる習慣がある事や、健康法の一環として食材は生で食べる「ローフード」といった文化が伝えられている事からも、日常的なキノコであっても食べ方によっては危険である事は認識しておかなければと思えます。


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