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第2738回 マーマレードへの想い



 トーストに塗るジャムについて考えていて、いつの頃からかマーマレードが平気というか好きになっていた事に気が付いてしまいました。

 ゲル状の透き通ったオレンジ色の中に細かく刻まれた柑橘系の果肉や皮が散在するマーマレードは見た目にも綺麗で、わざわざ窓際の棚に置いたりもするのですが、子供の頃は大嫌いで、パンに塗るジャムがマーマレードしかなかったりすると、そのまま何も付けないパンだけを食べたりもしていました。

 マーマレードが好きになれなかった理由は、柑橘類があまり好きではなかったという事もあるのですが、何より苦手としていたのはあの特有の苦味で、解毒力が充分ではない子供は本能的に苦味を避ける傾向があるそうなので、苦味も含めて美味しく感じるようになった事は成長の証ではとも思えます。

 マーマレードは言葉の響きがマスカレードなどに似ているせいで、勝手にイタリアやフランスが発祥の地ではと思っていたのですが、諸説がある中、イギリスが発祥の地という説が多く唱えられていて、言葉自体も英語となっています。

 よく知られたところではスペインで大量のオレンジを買い付けたイギリスの商人が、購入したオレンジが甘味がなくて酸っぱい上に苦味まで強く、とても販売できる物ではない事に気付いて悲嘆に暮れていると、彼の妻が砂糖で煮詰めてジャムにする事を提案し、マーマレードが誕生したとされます。

 その際、大量のオレンジを一人でジャムにしてしまうのは大変だった事から、一人息子のメアーに手伝わせようとして、「メアー マ ラッド(私の息子、メアー)」と叫んだ事がマーマレードの語源になったともいわれます。

 また、別な説ではポルトガルではオレンジではないのですが、「マルメロ」と呼ばれるカリンを砂糖漬けにした「マルメラーダ」が作られていて、そのマルメラーダが原形となり、英語でマーマレードとなったというのも有力な由来説の一つとなっています。

 ユニークなところでは、マーマレードは本来薬であり、スコットランドの女王、メアリーが腹痛を訴えた際に処方され、そのエピソードは民間に伝えられて「病気のメアリー」を意味する「メアリー マラード」が語源になったという説もあり、確かにメアリーマラードは英語の綴りがマーマレードに似ています。

 メアリー女王はよほどマーマレードが気に入ったのか、その後、何度もマーマレードを食べたがって仮病を使うようになったともいわれ、メアリー女王が病気だからと何度も召使がマーマレードを作った事もメアリーマラードが名前の元となった理由として伝えられています。

 ジャムが最初に作られたのは1万~1万5千年前の旧石器時代後期の事とされ、ミツバチの巣から集めた蜂蜜を使って果物を煮た事がはじまり考えられています。

 西洋式のジャムが日本に初めて伝えられてのは16世紀の後半に宣教師によってもたらされたと考えられていて、当時、西洋風の物を好んだ織田信長が口にした最初の人ともいわれています。

 マーマレードが誕生するのは18世紀の事となっているので、残念ながら織田信長はマーマレードを知らない事になってしまいます。オレンジの爽やかな風味とほんのりした苦味を戦国の覇者がどのように感じるのか、少し気になってしまいます。

 メアリー女王のように薬として処方され、その後、マーマレード食べたさに何度も仮病を使うようになり、イギリスではマーマレード、日本ではノブマレードと呼ばれるようになるという事にはならなくて良かったとは思っています。


 
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