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第2753回 効能の素



 自分で料理を作るようになった頃、ドレッシングを作ろうと思い、せっかくなら体に良い物をとエクストラバージンのオリーブ油を購入しました。参考にしたレシピに書いてある通りの分量でドレッシングを調合し、味をみてみるとあまりのオリーブ油のクセの強さに驚き、作った物が食べられないという事がありました。今では特有の風味にも馴染んでいて、味見のために直接オリーブ油を試飲するという事も平気なのですが、当時は青臭い香りが受け入れ難いものと思えた事が懐かしく思い出されます。

 本場、イタリアでの使われ方を見ていると、料理を作りはじめる際にフライパンや鍋にひいて熱するというだけでなく、料理ができあがってから仕上げとしてふり掛けられている場面を多く見掛ける事があり、我々日本人がオリーブ油をサラダ油などの油脂類の一種と捉えている事に対し、イタリアではしょうゆやごま油といった風味付けや味付けを行う物と位置付けられている事が判ります。

 オリーブ油は体に良い油としての認識が定着していて、動脈硬化をはじめとする生活習慣病を改善する働きがあるとされます。オリーブ油にはオレイン酸が多く含まれていて、体内のオレイン酸が多くなる事で肝臓はHDL(高比重リポタンパク)コレステロールを多く作るようになり、LDL(低比重リポタンパク)コレステロールの生成量が少なくなる事から、HDLコレステロールの余分なコレステロールを回収して肝臓へ戻す働きがLDLコレステロールの体の隅々までコレステロールを届ける働きに勝るようになり、結果的に動脈硬化を防ぐと考えられてきました。

 エクストラバージンのオリーブ油を口に含むと、油の香りやオリーブの青臭さ以外に「辛い」「苦い」という印象を持つ事があります。そうした辛味や苦味はオリーブ油に含まれるポリフェノールによるもので、オリーブの一番搾りともいえるエクストラバージン油で強く感じる事ができます。最近の研究でオリーブ油による動脈硬化の改善効果は、オリーブ油に含まれているオレイン酸よりもポリフェノールの方が強い事が示唆されてきていて、オリーブ油の選び方も注意が必要と思えてきます。

 先日行われた研究では20歳から58歳までの男性を対象に、ポリフェノールの含有量が違う3種のオリーブ油を用意し、3つのグループで毎日25ml、3週間に渡って飲用してもらい血液中の脂質の変動を測定してポリフェノールが及ぼす影響について検討を行っていました。

 3週間の飲用の結果としてポリフェノールの濃度が高いオリーブ油を飲用したグループほど善玉とされるHDLコレステロールの濃度が高くなり、動脈硬化の予防や改善に効果的な状況が作り出されていました。

 それに対しLDLコレステロールは一部だけが減少する事が判り、全てのLDLコレステロール量が低下するのではない事が観察され、低下していた一部のLDLコレステロールは、最も悪玉とされる酸化LDLコレステロールである事が判っています。

 酸化LDLコレステロールは体内では異物としてマクロファージによって攻撃の対象となり、血管壁に溜まって動脈硬化を引き起こすため、オリーブ油のポリフェノールは直接動脈硬化のリスクを低下していた事になります。LDLコレステロールは全身にコレステロールを運ぶ役割があるため、全てのLDLコレステロールを減少させてしまう事は血管を材料不足の脆い状態にしてしまう事から、酸化LDLコレステロールのみを減らすという事は理想的なリスク削減と思えます。

 あまり馴染みのない人が25mlとはいえ直接オリーブ油を飲用する事は、それなりに抵抗のある事と思えます。お薦めは納豆に加える事で、良くかき混ぜて粘りを出した納豆に回しかけ、良く混ぜ合わせると意外なほど多めでも抵抗なくいただく事ができます。血管を守るオリーブ油のポリフェノールと血栓を溶かして血液をサラサラにする納豆、理想的な血管ケアかもしれません。


 
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