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第2771回 ミルクアルカリ(1)



 毎日の食の中でタンパク質を努めて摂るようにしているのですが、タンパク質は代謝の過程で血液を酸性に傾けてしまいます。それを酸を中和して本来のpHに戻すために使われるのがカリウムで、肉を食べる際は一緒に野菜も食べるように薦められる根拠となっています。

 根菜類を通してカリウムを摂取するようにしているのですが、カリウムはナトリウムほどは吸収率が良くない事から不足しているのではと心配になってしまう事もあります。血液のpHの維持のためのカリウムが不足すると、代わりに酸の中和に使われるのがカルシウムである事から、食事にヨーグルトを加えるようにしています。

 プレーンなヨーグルトを夕食で食べるようにしているのですが、生まれ付き胃腸が弱く、最近、あまり胃の調子が良くない事から食後に胃酸の中和剤を飲むようにしています。カルシウムの確保と荒れた胃粘膜の保護を意図しての事なのですが、考えてみると体に悪い事をしていたと気付いてしまいます。

 20世紀の初頭、胃潰瘍の治療として胃酸から胃粘膜を保護する牛乳を飲み、しばらく時間をおいて胃酸を中和するマグネシウム製剤を飲むという事を繰り返す療法が考案されました。牛乳は胃粘膜の表面を保護するだけでなく、良質なタンパク質を供給して粘膜の回復を促すとも考えられ、利に適った療法とされていました。

 治療を進めていくうちに嘔吐や意識障害を訴える患者が見られるようになり、胃潰瘍の再発や悪化が懸念されたのですが、詳しく調べてみると患者の血液が高カルシウム血症を起こしている事が確認され、継続的な牛乳の大量摂取とアルカリ性の薬剤の併用で血液中のカルシウム濃度が異常に高くなる事が解明され、「ミルクアルカリ症候群」と名付けられています。

 今ではそうした療法は行われなくなり、牛乳を大量に摂取する事やアルカリ製剤を併用する事が稀な事から、牛乳と制酸剤の併用を注意する記載が見られる事はなくなってしまいましたが、意外なところでミルクアルカリ症候群の発生を懸念する意見に触れてしまいました。


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