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第2772回 ミルクアルカリ(2)



 市販の便秘薬に酸化マグネシウムが使われているのを見掛ける事があります。便秘の原因の一つに水分の不足があり、水分が不足した事で便の嵩が減り、大腸を刺激する力が弱まってしまうので大腸の蠕動運動が起こりにくくなって、結果的に便秘に繋がるとされます。

 気掛けて水分を摂るようにしていても、便秘が長引いている際は腸内の水分吸収が強くなっている事から、便はすぐに水分を奪われてしまい、便秘の解消に繋がらなくなってしまいます。

 酸化マグネシウムは水分を吸収する力が強く、消化器官内で水分を吸収すると腸壁から水分を奪われる事がなくなるため、便の嵩を増して腸に刺激を与えて自然な排便を促す事になります。

 便秘の解消に使われる収斂作用を持つ薬剤が強制的に腸を動かす事で排便を促す事に対して、酸化マグネシウムは自然な便意で排便を誘う事から、お腹が痛くならない便秘薬としても人気が高く、胃酸を中和する作用も合せて胃腸の調子を整える薬剤ともいわれ、元々が体内に存在するミネラルでもある事から目立った副作用もない事から広く普及しています。

 最近、そんな酸化マグネシウムの服用で高マグネシウム血症を起こして血圧低下などの症状が発生していた事が確認され、中には死亡した例も見られています。

 特に腸の蠕動運動が弱まり、便秘を起こしやすいとされる高齢者での報告が多いとされ、腎臓の機能が弱まっている場合、より症状を引き起こしやすい状態にあると考えられます。

 また、酸化マグネシウムは胃酸を中和するアルカリ製剤でもある事から、便秘の解消に役立つと考えられる牛乳を積極的に摂取していた場合、ミルクアルカリ症候群を引き起こしてしまう可能性も存在します。

 酸化マグネシウムを長く使っていると血液中のマグネシウム濃度が高くなる事から、酸化マグネシウムの服用で吐き気やめまいを感じたら服用を停止し、医療機関の受診が推奨されています。

 マグネシウムというと一時期ブームとなっていた「にがり」も塩化マグネシウムであり、少量を料理などに加えるという使用法を間違って直接飲用し、同じように高マグネシウム血症が報告されていた事が思い出されます。本来は必要不可欠なミネラルですが、意外なところに危険が潜んでいると思えてきます。


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