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第2775回 生鮮第一号



 20015年4月から新たにスタートした機能性表示食品。それまで食品の効果効能を表示する事は「トクホ」と呼ばれて親しまれている特定保健用食品か栄養機能食品にしか許されていませんでしたが、科学的な根拠を示す事ができれば機能性表示食品として効能を表示する事が可能となります。

 栄養機能食品はビタミンや食物繊維などの栄養素を効率的に摂取できるものであったため、どちらかというと効能を表示するという感じではなく、特定保健用食品は審査に対して臨床試験などの厳しい検査が必要なために、認証を受ける事で製品価格が上昇してしまう、さまざまな検査を行う資金的余裕のある企業しか出願できないといった面を持っていました。

 機能性表示食品では効能の表示へのハードルを下げた形になり、これまで薬事法の制約から何かに効果がありそうなのにはっきりと表記されておらず、消費者が理解しにくい。真面目に広告を行う会社は効能を表示せず、法令を遵守しない会社は効能を謳って販売を行うといった困った部分を解消してくれるのではと思っています。

 そんな機能性表示食品で最初となる生鮮食料品の認定が行われ、第一号には温州みかんが効能の表示を可能となりました。みかんという事でビタミンCや食物繊維などによる美肌効果や、クエン酸による疲労軽減効果といった事を想像してしまうのですが、温州みかんに認められた機能性表示は意外にも「骨を丈夫にする効果」となっています。

 みかんのオレンジ色はβークリプトキサンチンと呼ばれるニンジンなどで知られたカロチノイド系の色素で、抗酸化作用をはじめとする効能を持つ事が知られていました。一見、カルシウムとは全く無関係な色素が骨を丈夫にするという事は想像しにくいと思えるのですが、観察研究によってβークリプトキサンチンが骨を丈夫にする事は確認されています。

 骨は一度作られてしまうと一生ものという感じがするのですが、カルシウムを放出する「骨吸収」とカルシウムを吸収する「骨形成」を繰り返して日々生まれ変わっています。カルシウムが不足したり、加齢によって骨形成の機能が弱まってくると骨が脆くなってしまい、骨粗鬆症になってしまう事もあるのですが、βークリプトキサンチンは骨吸収を抑えて骨形成を促す働きを持っている事が判ってきています。

 みかんをよく食べる人は、血液中のβークリプトキサンチン濃度が高い事が判っているので、健康な女性を対象に温州みかんから抽出したβークリプトキサンチンを摂取してもらったところ、骨の健康状態を示す骨代謝マーカーの検査で有意に高評価が得られた事や、血中βークリプトキサンチン濃度が高い女性は、骨の健康を保つ事に必要なエストロゲン量が減少する閉経後も骨粗鬆症になるリスクが低い事が観察された事が裏付けとされています。

 冬場は日照が限られて、体内のビタミンDの生成が少なくなる事が考えられるのですが、そんな冬場に旬を迎えるみかんは骨を丈夫にする自然の恵みという事ができると思います。


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