FC2ブログ

第2786回 味噌の世界(2)



 和食に欠かせない調味料である味噌。今日でこそ味噌は調味料の一つとして見られていますが、かつてはおかずの一品であり、日本人にとって主要なタンパク源の一つともなっていました。

 今でも肉味噌やネギ味噌といった料理に味噌がおかずであった事の名残りを見る事ができ、発酵によって大豆の豊富なタンパク質を消化吸収やすい状態にした味噌は、獣の肉を常食としない日本人にとって貴重なタンパク源であったという事ができます。

 そんな味噌の起源というと遣唐使によって中国からもたらされた発酵食品の「醤(しょう、ひしお)」が原形としてあり、醤ができる前の段階のまだ穀物の粒が完全には分解されていない状態でいただくものとして「未醤(みしょう)」と呼んだ事が味噌の語源となったとされます。

 醤を作ろうとしていながら、何故醤ができあがる前の段階で食べるようになったのか。発酵に適した気候を持つ日本という環境を考えると、待てなかったという事は考えにくく、醤になる前の段階で食べる食文化がすでに存在していた事を感じてしまいます。

 縄文時代の後期、すでに確立されていた製法を使って塩が作られ、塩によって食品を保存する事が行われていました。そうした保存食の中には自然に発酵するものがあり、発酵したものはタンパク質が分解されてできた旨味成分を多く持つ事から、未発酵のものよりも美味しい事が経験的に知られるようになったと考える事ができます。

 古墳時代には麹を発酵させる技術が確立されている事から、中国から醤がもたらされる以前から日本では同様の発酵食品が作られていて、そこへ完全に発酵させたものが醤として伝えられ、発酵の途中で完成としていた自分たちの醤を未醤と呼ぶようになったと思えてきます。

 多彩な食文化が花開いていたとされる縄文時代、すでに味噌は各家庭で作られていたのかもしれない、醤の文化圏の中でも独自の製法とされる味噌を見ていると、そんな事を考えてしまいます。


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kcolumnist

Author:kcolumnist
にんにく卵黄本舗の健康コラムです。
食と健康をキーワードに最新の医療情報から科学技術、食文化や献立まで毎日更新で幅広くお届けします。是非ご覧ください。

リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR