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第2789回 溶ける話



 先日、アメリカである清涼飲料の容器の中からネズミの死骸が出てきたというクレームを付けた男性に対し、メーカー側が「もし製造時にネズミが混入し、一定期間、製品に浸されていたのであればネズミの死骸はドロドロに溶けているはず」と反論して消費者の失笑を買うといった事がありました。

 何となくその製品の事を怖ろしく感じてしまうのですが、オレンジジュース程度の酸性でも同じような事が起こるとされ、意外なほど骨をはじめとする組織は酸の影響を受けるものだと、自分で酢締めにして小骨の存在をほとんど感じなくなったコノシロを食べながら思ってしまいます。

 清涼飲料によって骨が溶けるという話は、子供の頃は都市伝説のように聞かされていたのですが、改めて振り返ってみると何を根拠にしていたのか少し不思議に思えてきます。

 清涼飲料の原材料の欄に酸味料としてリン酸が記載されているため、それが原因ではなかったのかと想像しているのですが、酸味料を加えてpHを酸性に傾けている事や、強い炭酸から受ける刺激などが骨に悪影響を与えるイメージに繋がってしまった。リンはカルシウムと結合しやすく、リン酸カルシウムになるとカルシウムは吸収されずに体外に排出されてしまう事などが、清涼飲料が骨を溶かす事の論拠となったように思えます。

 清涼飲料に酸味を持たせる際、酢酸やクエン酸よりもリン酸の方がはるかに原料として安価なために酸味料として使われているのですが、清涼飲料に含まれるリン酸は野菜ジュースとそれほど変わらない量となっています。

 最近行われた研究では、清涼飲料が骨に悪影響を与える事はなく、わずかに高齢の女性の骨粗鬆症に影響する程度とされていて、骨が溶ける事がない事は証明されているのですが、含まれている糖分の多さは世界的な健康に深刻な影響を与えているともいわれます。

 何事もそうですが、適度な距離感の下に上手に付き合う事が大事なのかもしれません。


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