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第2793回 打撃系?



 健康に関する用語は定期的に新しいものが出てくるように思えるのですが、「フレイル」という言葉を最初に聞いた時は、思わず中世のヨーロッパで発展した打撃系の武器を連想してしまいました。

 子供の頃、ファンタジー小説が好きで、フレイルは重装備の騎士が手にする棒の先に鎖が付き、その先に棒状の打撃部が付いた特徴的な武器で、先端の打撃部が棒状だとフレイル、球状だとモーニングスターと呼んで区別されていました。

 最近、耳にしたフレイルはそうした打撃系の武器の事ではなく、日本老年医学会が2014年から提唱し始めた「加齢で起こる心身の機能が低下した状態」を指す言葉となっていて、高齢者の介護が問題となる中、フレイルの予防の重要性がいわれるようになってきています。

 フレイルの語源は英語で「虚弱、脆弱」という意味を持つ「フレイリティ」にあるとされ、体重の減少や歩行速度の低下、筋力の低下、疲れやすさ、活動量の低下といった状態が特徴とされています。

 高齢期に起こる生理的予備機能の低下によってストレスに対する脆弱性が進み、生活機能障害や要介護状態に陥ったり、最悪の場合、死に繋がるとされる事から、フレイルを予防する事は高齢者のQOL(生活の質)を確保する上でも重要な事と思えます。

 また、フレイルにはこれまでの高齢化問題でいわれていたような筋力の低下による動作の敏捷性が失われて転倒しやすくなるといった単純な身体的問題ばかりでなく、認知機能の障害や鬱などの精神的、心理的問題、独居や経済的な困窮という社会的な問題も概念的に含むとされ、フレイルの予防は今後の高齢化社会の最重要項目ともいえます。

 加齢によって筋力や体力が低下する事で動く事が億劫になり、部屋でじっとして過ごす事が多くなってしまい、生活の質が低下するだけでなく、さらに筋力や体力の低下を招くという悪循環がはじまる。活動量の不足や栄養状態の悪化からさらに身体機能の衰えに繋がり、鬱や認知症をはじめとするさまざまな病気に罹りやすくなって寝たきりの状態に陥ってしまうといった例が上げられており、欧米では20年も前から注目されているともいわれます。

 バスや電車を使って生活必需品を自分で買いに行く事ができる。友人の家を訪問したり、家族や友人にアドバイスをする事ができる。補助なしで椅子から立ち上がったり、手すりを使わずに階段を上がる事ができる。週に一度は外出したり、15分以上続けて歩く事ができるといった事ができなくなる事がフレイルとなっている可能性があるとされますが、高齢者の間では意外なほど広くフレイルが浸透しているようにも思えます。

 フレイルの予防には日常の生活を通して筋肉量を維持するために良質なタンパク質を充分に摂り、適度な運動を心掛けて社会との接点を持ち続ける事が大切とされます。高齢者に起こる悪循環ではありますが、若いうちからフレイルの存在を意識して予防に努める事が大事と思えてきます。


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