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第2843回 特権的飲料(1)



 俳優のアーノルド・シュワルツェネッガ―の一言、「牛乳なんて赤ん坊の飲物。大人になったらビールを飲むものだ」には納得させられるものがあります。大人になったからビールを飲もうというのではなく、牛乳を飲む事は赤ん坊の特権だと思えるからです。

 多くの大人は成長の過程において牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を分解するための酵素、ラクターゼを失ってしまい、乳児期を過ぎると乳糖を消化する事ができなくなってしまいます。世界の成人の約75%が牛乳を消化できない状態にあるとされ、牛乳を飲んで消化できるのは乳児期の子供に与えられた特権という事ができます。

 人は生まれてから乳を栄養源として成長を始めますが、よちよち歩きをし始める頃には徐々に乳を卒業し、次の食事へと内容が変化していきます。その頃から体内でラクターゼが作られる量が減少を始め、少しずつ乳糖が消化できない体へと変化していきます。

 人の進化の過程を考えてみると、牛や羊などの家畜を飼育し始めたのはごく最近の事という事ができ、身近に存在する乳といえば母乳が中心であった事が考えられます。

 乳児にとって母乳は容易に手に入れる事ができ、安全性や栄養価が高い優れた栄養源である事から、母乳を主食とし続ける事に問題はないように思えます。しかし、子供が食事を母乳に依存し続ける事は母親の庇護下に置かれ続ける事を意味し、次世代を担い、子孫を繁殖させるという生物としての目的に反する事になります。

 また、母乳を与え続ける事は母体の負担ともなりえる事から、ラクターゼが減少して乳を消化できない体となっていく事は、強制的な親離れを体が促しているようにも思え、大人になって牛乳を飲み、お腹がゴロゴロしてくるというのは食の逆行に対する罰を体が与えているようにも思えてきます。

 幸運にも75%の大人にならなかった人や牛乳を飲む頻度が高く、また体がラクターゼを作ってくれるようになった人も牛乳の美味しさと栄養を享受できる特権を得ているという事ができ、大いにその恩恵に与るべきと思ってしまいます。


 
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