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第2845回 特権的飲料(3)



 最近のお気に入りが近所のコンビニの生乳にこだわったというカフェラテという事もあり、生乳という言葉をよく聞くようになったと感じています。生乳とは文字通り搾ったままの生の乳で、牛乳本来の味わいを持つものと思える反面、普段接している牛乳や成分無調整乳などとの違いが気になったりもします。

 生乳と牛乳の違いは加熱の有無で、乳牛から搾り、不純物を除いた乳が生乳、加熱殺菌を行ったものが牛乳となります。実際には口当たりを良くするために乳タンパクの粒子を整えるホモジナイズ加工などの多くの工程を経て牛乳は作られていて、無脂乳固形分や乳脂肪分、細菌数などの基準が定められています。

 成分無調整牛乳は生乳から牛乳へ加工する際、何も足したり除いたりせず加熱殺菌を行ったのみの牛乳で、多くの場合、通常の牛乳よりも乳脂肪分が多く、濃厚な味わいが特徴となっています。

 通常の牛乳と成分無調整牛乳の乳脂肪分の違いは2.0~2.5%程度となる事が多く、通常の牛乳ではわずかに乳脂肪分を除いた分、すっきりとした味わいになるとされ、好みが分かれるところとなっています。

 成分的に大きな違いがない生乳と成分無調整牛乳ですが、最大の違いは殺菌加工を施す事によって細菌の繁殖による健康リスクを大幅に低減させている事で、牛乳を利用する食文化を通して培われてきた技術の賜物という事ができます。ところが最近になって生乳を飲用するメリットがいわれるようになってきています。

 生乳は加熱加工が施されていないために含まれている酵素が失活しておらず、その酵素の働きが健康増進に役立つ。熱によってさまざまなタンパク質が変質していない事や、繁殖している細菌の中にも善玉菌がいて、それらがアレルギーの治療に有効な因子となる。余分な加工を施していない事から、牛乳本来の美味しさがあるといった事がいわれていますが、安全を確保するために行われる加工をしない事による安全性への懸念と比較してどのくらいのメリットがあるのかと考えてしまいます。

 米国のCDC(疾病対策予防センター)によると、生乳が原因で健康を害してしまう可能性は低温殺菌を施した牛乳と比べて150倍になると試算されていて、メリットよりもリスクが勝るようにも思えます。新鮮なものは生でという日本人気質もあるのですが、やはり生乳ではなく牛乳をと思ってしまいます。


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