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第2846回 糸としらたき



 好きな食材の一つにコンニャクがあり、普通のコンニャクから刺身、麺類、ゼリー、変わったところではレバ刺しの代替品といったものまで幅広く食べています。子供の頃は食感が面白くて食べていた感じなのですが、大人になってからは滋味溢れる風味もお気に入りとなっています。

 コンニャクはミャンマーやマレーシア、タイなどの東南アジアが原産地とされ、根菜類の農耕文化が北方へと伝播する過程で縄文時代の日本にも伝えられたと考えられています。

 コンニャクを食用とする記録は紀元前700年頃の唐代の中国に残されていて、コンニャク芋を灰汁で煮て食べたと伝えられています。四川省や湖北省では栽培された記録も残されている事から、今日に繋がるコンニャクの食べ方は中国から伝えられたと思われます。

 仏教の伝来と共に精進料理の食材として伝えられた、遣唐使が持ち帰ったと諸説がありますが、伝来当時のコンニャクは医薬品として珍重されていて、貴族などの一部の人しか接する事ができないものとなっていました。

 日本におけるコンニャクに関する記載で最古のものは平安時代に書かれた「倭名類聚抄」で、コンニャクについて「根は白く、灰汁で煮込むと固まり、酢をつけて食べる」と説明しています。コンニャクを凝固させるために使われる灰汁のアルカリ分が残されている事から、酢にはそれを中和させてマイルドな味にするという生活の知恵も含まれているように思えます。

 現在、コンニャク芋の半数は生芋の状態でコンニャク作りに使われ、残りの半分は乾燥させてコンニャク精粉にされています。コンニャク芋を粉にするという製法は江戸時代の水戸藩において考案されたもので、乾燥させて粉に挽いたものに風を当て、不純物や皮、デンプンなどを除くと白いコンニャクを得る事ができます。

 白く仕上げられるコンニャク精粉を使い、凝固する前にたくさんの小さな穴を開けた竹筒などで押し出すと糸状のコンニャクを作る事ができ、竹筒の先から滝のように下がる白い姿から「しらたき」の名前が生まれています。

 関西では板状のコンニャクから糸にように細く切り出したコンニャクが食べられていて、その形状から糸コンニャクと呼ばれています。よくしらたきは白いコンニャク、糸コンニャクは黒っぽいコンニャクという分け方をしますが、ルーツを辿ると両者は作り方の異なる別物となっています。

 昔の感覚で灰色のコンニャクは生芋を使ったコンニャク。白いコンニャクはコンニャク精粉を使っていると考えてしまうのですが、今日、灰色のコンニャクはそれらしく見せるために海藻が加えられているものも多く、野趣溢れるコンニャクは小規模な生産の手作りのものが主流となってきています。

 かなりの種類のコンニャクを食べてきたと自負していますが、コンニャクを凍らせた「凍みコンニャク」は未経験で、単純に凍らせて解凍し、料理に使うだけで驚くほど食感が変化するとの事なので、近いうちに試してみなければと思っています。


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