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第2864回 しびれの秘密



 最近の斎場では椅子が設置されていて、読経や親族の焼香の後に自分の番となり、慌てて立ち上がって長時間の正座による足のしびれでうまく歩けないといった事態に直面する事がなくなったのですが、きちんと正座をする事が多かった頃は、長時間正座していても大してしびれを生じない事は羨ましがられたりもしていました。

 正座していると膝の関節部分や重なる太股や脛の内側などが圧迫されて血流が滞り、それがしびれを生じさせると考えられてきました。しびれの感覚から血流が滞っていた毛細血管に一気に血液が流れ込み、急激に血管が拡張される事がしびれの正体のような感じもしていたのですが、この度、その詳細なメカニズムが解明されていました。

 手で血管を押さえるなどして血流が滞った状態を作り出し、手を離して血流を再開させると血液中に活性酸素が生じる事が知られていましたが、正座の後の足のしびれにはその活性酸素が深く関わっていたといいます。

 血流を滞らせ、その後、開放するとしびれと同じ感覚低下が起こって正座の後の足のしびれを再現できるのですが、京都大学薬学研究科で行われた研究では痛みを引き起こす感覚神経のタンパク質である「TRPA1」を欠損させると、しびれが生じない事が確認されています。

 TRPA1は活性酸素によって活動が活発化される事から、足の血流が正座によって停滞し、その後、立ち上がる事で一気に解放されると血液中に活性酸素が発生し、それがTRPA1を活性化させてしびれを発生させていた事になります。

 今回の研究は長時間の正座の後に生じるしびれのメカニズムを解き明かしただけでなく、糖尿病などの長い時間を経ても収まらないしびれの研究にも繋がるものとされ、普段、不快ではあってもあまりまともに考えないしびれの世界の奥深さを感じさせてくれます。

 何かにつけ影響を及ぼしてくる活性酸素ですが、葬儀の際の珍事にも関わっていた事になります。


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