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第2868回 硝酸性窒素(1)



 以前、中華料理をいただいていて、餃子の餡の断面部分が赤みを帯びている事に気が付きました。充分に中まで火が通っていない感じだったのでその事を店員さんに告げると、丁寧に謝罪をされた後、「すぐに代わりをお持ちします」と皿を下げ、しばらくして新たに焼かれたものが届けられました。

 先程の事があるので注意しながら半分に切って断面を見ると、また挽き肉を練った餡は赤みを帯びていました。皮の感じから先程のものより時間を掛けて焼かれている事が判り、加熱が充分ではない事を告げた後だけにそれなりの注意をされていたはずなのですが、同じような状態という事を不思議に感じながら完全に火が通っていない肉類が苦手な事を告げ、餃子の注文をキャンセルさせていただくという事がありました。

 「気を付けてはいるのですが、年に1、2回はこんな事があるのです」と申し訳なさそうに謝罪される店員さんに、私も生肉が苦手で神経質過ぎる事をお詫びして店を出ました。

 帰り道、車を運転しながらふと、餡として挽き肉に練り込まれた野菜類の中に肥料として与えられた窒素から生じた硝酸が多く含まれていて、それが食材や調味料に含まれるナトリウムなどと結合して肉を赤く発色させていたのではないかと考えてしまいました。

 硝酸ナトリウムはハムやソーセージを赤みを帯びた色に発色させたり、肉の結着性を高めて弾力のある食感を作り出したり、肉同士のまとまりを良くしてくれるだけでなく、食中毒を引き起こすボツリヌス菌の繁殖を防ぐ働きがあり、一般的なハムやソーセージに使われているのを多く見掛ける事ができます。

 窒素は肥料として野菜の育成に欠かせない要素として使われる事から、野菜、特に葉物野菜に硝酸イオンのような酸化された窒素として多く含まれているとされ、餃子の餡に使われたキャベツや白菜、ニラなどに含まれていたものが挽き肉を赤く発色させていたのかもしれません。

 肥料として散布された窒素は酸化されて硝酸態窒素となり、亜硝酸態窒素も含めて硝酸性窒素と呼ばれて野菜の中に含まれるとされます。また、水に溶けやすい事から土壌を通過して地下水に入り込み、井戸水などにも含まれているともいわれます。

 一説には田畑がある平野の下を通過した地下水には硝酸性窒素が含まれているともいわれ、以前、何かの番組で熊本県知事が寛いだ雰囲気のインタビューを受けていて、これから取り組むべき問題として地下水の硝酸性窒素汚染を口にする場面を見掛けた事があり、水処として知られた熊本も無縁ではない事と思えます。

 硝酸性窒素が問題視される際、必ずいわれる事が、これまでにかなりの量の化学肥料が使用された結果、土壌中に相当量の硝酸性窒素が拡散されており、それらは徐々に浸透して地下水を汚染する。体内に入った硝酸性窒素は肉や魚に含まれるアミノ酸のアミンと結合してニトロソアミンという強力な発ガン物質となる。乳児が硝酸性窒素を摂取した場合、血液中のヘモグロビンが酸化されてメトヘモグロビンとなり、酸欠症状を起こして最悪の場合、乳児の突然死を引き起こす事もあるといった事がいわれ、かなり危険なものという感じがしてしまいます。

 健康を考えてサラダや野菜ジュースなどを摂取する人が見落としがちな野菜に隠れたリスクのようにもいわれ、栽培方法から注意しておかなければ野菜を多く摂る事が不健康に繋がるような印象も受けてしまいます。

 すでに散布された化学肥料の事を考えると、避けられないリスクのようにも思え、避けられない危険という感じもしてくるのですが、本当にそこまでの危険が身近な野菜に潜んでいるのか、そんな疑問も浮かんできます。


 
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