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第1820回 類似メニュー?



 根室市のご当地グルメ、「エスカロップ」によく似た物として、敦賀ヨーロッパ軒で出されている「スカロップ」なる料理の存在がいわれます。両者には直接の関連性はないとされながら、共に語源を薄切り肉を指す「エスカロープ」に持つ事や、トンカツにドミグラスソースをかけて仕上げられる点は非常によく似たものとなっています。

 ヨーロッパ軒というと「ソースカツ丼」で知られた名店で、1912年、ベルリンで6年間の料理研究の留学を終えて帰国した店主、高畠増太郎がドイツ仕込みのウスターソースに独自の工夫を加え、日本人の好みに合うようにしてトンカツと合わせ、丼物して発売したとして、ソースカツ丼の開祖ともいわれている老舗洋食店でもあります。

 大正2年(1913年)に東京の早稲田で開店されたヨーロッパ軒は、その後、大正12年(1923年)に関東大震災で被災し、翌大正13年には高畠の故郷である福井での営業再開となっています。

 昭和14年(1939年)には初の暖簾分けとして敦賀市に「敦賀分店」がオープンし、その後も暖簾分け制度によって複数のヨーロッパ軒が存在しています。暖簾分け第一号店となった敦賀ヨーロッパ軒と総本店との違いの一つとして、スカロップの有無がいわれる事から、スカロップは敦賀ヨーロッパ軒で考案されたと考える事ができます。

 スカロップとエスカロップの最大の違いは、スカロップにはドミグラスソースがかけられたトンカツの下にバターライスなどのご飯類がない事で、エスカロップが一皿で主食とおかず、サラダといった一食が完結することに対し、スカロップは別皿に盛られたご飯を足す事によって一食が成立します。

 似て非なる物となっているスカロップとエスカロップですが、興味深い事にスカロップはサラダとナポリタンスパゲティを付け合せとして皿に盛り付けた後、ドミグラスソースで味付けしたトンカツが乗せられる事から、トンカツがスパゲティに乗る形になり、それは開発当初の頃のエスカロップそのものという事もできます。

 また、似たような存在に兵庫県加古川市周辺で食べられている「かつめし」の存在があります。トンカツソースを味付けに使った物も存在する事から、必ずしもという訳ではありませんが、ドミグラスソースをかけたトンカツが、白いご飯に乗せられています。

 かつめしはスカロップやエスカロップよりも10年ほど早い1953年頃に出現したとされ、異なる地域で相互に関連性がないにも関わらず、同じような料理が成立している事には、トンカツとドミグラスソース、ご飯の相性の良さが伺えるように思え、そういう目で見てみると、カレーライスにトンカツを合わせたカツカレーは広く存在するのに、ドミグラスソースのハヤシライスにトンカツを合わせたカツハヤシが存在しない事が不思議に思えてきます。


 
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