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第2978回 卵の秘密(3)



 保管にそれなりの気を使う事が大切な卵。充分に気を使って殻が剥けやすくなる4日ほどを過ごさせた後、茹でて仕上がる事となるのですが、茹で方によっても仕上がりに差が出てくる事と思います。

 以前、試してみたのは基本的な多めの水に卵を入れて火に掛け、時折、菜箸やスプーンなどで卵を回転させて黄身が偏る事を防ぎながら茹でるという方法と、鍋に1cmほどの水を張り、完全に沸騰させたところへそっと卵を置いて蓋をし、高温の蒸気を使って一気に蒸し上げるという方法でした。

 たっぷりのお湯で茹で上げる方法は黄身を中心付近に持ってくることができ、気泡の窪みも偏りなくきれいな仕上がりになるのですが、黄身の方が白身よりも硬化する温度が低い事から、黄身を半熟にするという仕上げには不向きなように思え、逆に高温で蒸し上げる方法では外側から一気に高温にする事から白身が固まっても黄身はまだ固まっていないという状態にする事はできるのですが、黄身や気泡の位置は偏ってしまいます。

 新たな良い茹で方はないかと調べていると、イギリスの三つ星シェフであり、最新の調理技法の一つでもある分子ガストロノミーに詳しいブルメンタール・シェフが科学的観点から美味しい卵の茹で方を提唱していました。

 卵の白身が固まる温度は75度から79度、黄身はもっと低くて65度から70度とされます。そのため茹で卵を作るには100度に沸騰させたお湯で茹でる必要はなく、むしろ茹でてしまうと白身に火が入り過ぎて硬い食感になってしまうといいます。

 ブルメンタール・シェフによると、茹で卵にする卵は冷蔵庫から出したものを使う方が良いそうで、これは変動する室温ではなく常に一定の温度に保たれた状態からスタートするためとされます。

 冷蔵庫から出した卵を一旦鍋に入れて浸る程度の水を入れ、水の量を決めた上で卵を取り出し、火に掛けてお湯を沸かします。お湯が沸くまでの間に卵の底の部分を硬く平らな面に軽くぶつけて、卵の底に直径5mm程度のへこみを付けておきます。

 通常だと茹でる前に殻にひびなどを入れてしまうと、茹でる途中で中身が飛び出してきたり、ひびに沿った筋などが入って仕上がりが汚くなってしまうのですが、ブルメンタール・シェフの方法ではこのへこみが重要になるといわれます。

 鍋のお湯が完全に沸騰したら卵を入れ、火を止めて蓋をし、好みの茹で加減に合せて6分から10分ほどおいて卵を取り出し、冷水にさらせば出来上がりとなります。6分では白身はふんわりと固まり、黄身はトロトロの状態に茹で上がり、10分では硬茹での状態に仕上がります。

 茹でない茹で卵というのは少々違和感を覚えてしまいますが、卵をタンパク質の塊りと考えると、最適な温度設定を求めた調理法だと思えてきます。


 
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