FC2ブログ

第2980回 時を止める店



 近所の田舎ならではのコンビニエンスストアでは、中華まんをレジ横の保温庫以外にパンを売るコーナーで入荷したままの4個入りのパックの状態で販売しています。店側としては温めて管理する手間が省けるのかもしれませんが、購入する側としても温かいものを購入して、帰宅する間に湯気で生地が水浸しになるという事がないというメリットがあり、わざわざ温めてないものを購入したりしていました。

 ある時、パンコーナーに中華まんがなかった事から店員さんに温めてないものはないのかと尋ねてみると、店員さんは近くの冷凍庫の中から冷凍したパックを取り出してきてくれました。

 その際、二人の視線がパッケージの隅に記載された賞味期限に止まり、すでに期限が過ぎてしまっている事に気が付いてしまったのですが、「冷凍して時が止めてあるので大丈夫ですよ」と説明をされ、メルヘンチックな発現に変に納得させられて購入するという事がありました。

 冷凍可能な食品を冷凍すると時間が止まる訳ではないのですが、飛躍的に保存性を高める事ができます。本来であれば傷みやすい乳製品も冷凍する事によって安定した品質を保つ事から、賞味期限の記載が存在しない食品となっています。

 保存している食品には大きく分けて4つの変化が起こる事で品質が劣化し、食べる事ができない状態になってしまいます。一つ目は微生物による内容成分の分解が起こる腐敗で、二つ目の食品に含まれている酵素による自己分解も同じく腐敗として扱われる事があります。

 三つ目は食品に含まれる成分の酸化が進むという化学的変化で、特に油脂類の酸化が顕著に食品の品質を劣化させます。

 四つ目は水分を失う乾燥という物理的変化で、食品によってはある程度の乾燥を施す事で風味を増したり、旨味を凝縮したりといった良い変化に繋がる事もありますが、過ぎた乾燥は食品の品質劣化となってしまいます。

 そうした品質劣化の要因に対し、冷凍する事によって微生物は活動を抑制されてしまい、酵素も活性を失う事から腐敗を防ぐ事ができ、低温によって化学的活性が下がる事から酸化も最小限に抑える事ができます。

 冷凍によって乾燥してしまうイメージもあるのですが、急速冷凍してその後、温度変化を抑える事ができれば乾燥を最小限に留める事ができるので、食品の劣化を抑える事ができるという事ができます。

 その後、そのコンビニへは行っていないのですが、食品管理が厳しくなってきている昨今、今でも中華まんの時を止めているのか、何となく気になってしまいます。


 
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kcolumnist

Author:kcolumnist
にんにく卵黄本舗の健康コラムです。
食と健康をキーワードに最新の医療情報から科学技術、食文化や献立まで毎日更新で幅広くお届けします。是非ご覧ください。

リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR