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第2987回 茶色と黄色の白い山(1)



 秋が深まってくると急に存在感を増してくる洋菓子に「モンブラン」があると思います。年間を通して人気のあるケーキなのですが、ペースト状にした栗をふんだんに使う事から、秋の味覚の一環として登場頻度が増してくるように思えます。

 モンブランは日本で生まれ、独自の発展を遂げた日本発のケーキといわれる事があります。東京、自由が丘の初代店主であった迫田シェフが考案し、日本に広めたとされていて、迫田シェフがモンブランの普及を願って商標登録を行わなかった事もモンブランの認知が急速に広まった理由の一つになったともいわれます。

 迫田シェフは1933年に修業を兼ねてフランスを旅行していた際、シャモニーでモンブランと出会ったといいます。もともとモンブランはフランスのサヴォア県と隣接したイタリアのピエモンテで伝統的に作られてきた家庭のお菓子が原型となっていて、ペースト状にした栗に泡立てた生クリームを添えて冷して食べるお菓子として親しまれていました。

 それをパリにある老舗のカフェ、アンジェリーナがメニューに採用し、その際、メレンゲの土台の上にホイップした生クリームを絞り、その上に長時間シロップに漬けられていた事で形が崩れてしまったマロングラッセを潰したペーストを重ねるという今日のスタイルが確立され、より洗練されたモンブランが誕生しています。

 迫田シェフが出会ったのはそんな洗練されたモンブランだった事が想像されるのですが、現地で熱心に作り方を教わり、日本の自分の店で出す許可を得てから帰国した迫田シェフは、日本人がヨーロッパの栗の茶色い色合いには馴染みがない事から、マロングラッセの代わりに慣れ親しんだ栗の甘露煮を使って黄色いモンブランに仕上げ、台座のメレンゲもカステラに変える事で日本ならではのモンブランを作り上げています。

 また、日本では栗は縁起物でもあり、高級な食材でもある事から、モンブランが栗を使ったケーキである事が一目で判るようにトッピングとして頂点に栗の甘露煮を乗せるようにするという独自のスタイルも生み出していて、日本では見慣れた姿となっていますが、諸外国からは奇妙に映るともいわれ、普段接しているモンブランが日本独自のものであると思えてきます。


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にんにく卵黄本舗の健康コラムです。
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