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第2992回 液キャラ



 一時期、その柔らかさが生食感として「生キャラメル」が人気となっていましたが、さらにその上をいく柔らかな液体キャラメルというべき「ドゥルセ・デ・レチェ」が話題とならなかったのは、少々残念に思えていました。

 ドゥルセ・デ・レチェはラテンアメリカを中心に作られている液状の甘いお菓子で、砂糖を入れた牛乳を弱火でゆっくりと加熱しながら作られています。

 アルゼンチンやチリ、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジルを中心にほぼ南米全土ともいえる広い範囲に伝統的な食として根付いています。それだけ広い範囲で親しまれているだけに、ドゥルセ・デ・レチェの由来は謎に包まれ、どのように生まれたのかは諸説があって定かではありません。

 広く知られているところでは19世紀のイベリア半島で生まれたとされますが、スペインでドゥルセ・デ・レチェが親しまれるようになったのは20世紀の後半の事となっているため、根拠に乏しいともいわれます。

 アルゼンチンに伝えられている伝承では1829年の冬、ブエノスアイレスの知事であったロサスが政敵のラバージュと和平を交わす事になり、和平交渉の場となったロサスの邸宅に早々と到着したラバージュが疲れからロサスのベッドでうたた寝をしてしまいます。

 それを召使が発見して大騒ぎになり、ロサスの家の警備兵まで出動する事となってしまいますが、帰宅したロサスは怒らず、ラバージュに牛乳入りのマテ茶をすすめました。その際、召使が予め牛乳に砂糖を入れて温めておいた事を思い出し、長時間温め続けられた牛乳はキャラメル状になっていたのですが、ロサスもラバージュもその美味しさが大いに気に入ってしまったとされます。

 また、フランスのノルマンディー地方には従軍していた料理人が朝食用に牛乳に砂糖を入れて温めていて、忙しさから牛乳の鍋を放置してしまい、ドゥルセ・デ・レチェが生まれたとも伝えられ、同じ話はナポレオンの軍隊にも残されています。

 一説にはそうした偶発的なエピソードの遥か以前、古代文明においてドゥルセ・デ・レチェは考案されたともいわれ、数千年の歴史を持つインドの古典的医学書、アーユルヴェーダにおいて登場する病気を防ぐ牛乳を煮詰めて作られるラバディーもその仲間だとも見られています。

 身近な素材で作られる素朴で優しい味わいのお菓子だけに、いつの間にかそばにいて、何処からきたのかも判らない、そんな存在なのかもしれないとも思えてきます。


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