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第2997回 プリン考(2)



 プリンの語源となったイギリスのプディングというと甘いお菓子だけでなく、中には肉を使ったおかずのような物も多く、あまりの世界観の違いに驚かされてしまいます。

 イギリスでのプディングは、蒸して固められる料理の総称となっていて、普段からスイーツとして接してきたものは、その中の一つ、カスタードプディングという限定的な存在となっています。

 プディングの誕生については、語源となる古英語の「プデュク」に腫れ物を指す意味があり、後に腸詰を指すようになる事から、腸詰の一種としてプディングが誕生したと考えれています。

 また、限られた食料を無駄にせず、手早く調理できるように船乗りたちが工夫した事によって誕生したともいわれていて、どちらも説得力を強く感じてしまい、プディングの由来の謎と思えてきます。

 腸詰としてのプディングは、腸という動物由来の肉の中では特に傷みやすい部位を使う事から、狩猟を行うシーズンにしか作る事ができず、やがて腸に代わって布などの身近な素材が使われるようになったとも考えられています。

 さまざまな食材を溶き卵と混ぜて蒸し上げ、固めるという料理は、食材の無駄を省くだけでなく、蒸し器に入れておけば焦げる心配もない事もあって広く普及する事となるのですが、慣れ親しんでいるカスタードプディングの誕生には幾つかの段階を経る事となっています。

 最初にカスタードプディングへと通じる道を開いたとされるのは、小麦粉に卵、牛乳、牛脂などを混ぜて塩で味を着け、オーブンで焼いて固めたヨークシャープディングであったとされ、その誕生は12世紀にまで遡るとされます。

 続いて16世紀の後半には砂糖は使わないのですが、ホワイトクリームに卵を入れて煮詰めたカスタードクリームの原型ともいえるヘイスティプディングが登場し、19世紀の後半には砂糖を加えて焼き上げる甘いバーントクリームへと変化していきます。

 長い時を経て着実に現在のプリンへと近付いてきている感じがするプディングですが、今日のスタイルのプリンが誕生したのは、伝統を持つイギリスではなく、海を隔てたお隣のフランスとなっています。

 18世紀のフランスでは才能溢れる優れたシェフやパティシエが多数輩出されていて、新たなレシピが多く考案されていました。その中に卵にミルクを加え、砂糖で味付けをしてバニラの香りを利かせたものを容器に入れて、水を張った天板に乗せてオーブンで蒸し焼きにするというものがあり、今日のカスタードプディングとほぼ同じという事ができます。

 アクセントとしてカラメルソースをかけるというアイディアも同時に考案されており、慣れ親しんだプリンは18世紀のフランスで誕生した事が判ります。日本への伝来は江戸時代の後期、もしくは明治時代の初期とされていて、ポッディングプッジングと耳慣れない言葉と共にカスタードプディングが紹介されたようですが、やがてプリンという日本人にも発音しやすい言葉として定着し、独自の発展を遂げる事となっています。


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