第3008回 人工の思考(1)



 初めてのAI(人工知能)との出会いは1990年代、さまざまな家電製品やテレビゲームに搭載された事が話題となり、自ら考えるプログラムという事が、大きな技術革新のようにも思えて、とても便利な未来が訪れるように感じられました。

 1997年にはチェスの世界チャンピオン、ガルリ・カスパロフをチェス専用に作られたコンピューターのディープブルーが打ち負かし、AIが人を凌駕する日がそれほど遠くないといった事もいわれるようになっていました。

 あまり話題にはなっていませんでしたが、最初の湾岸戦争において部隊のスケジューリングにもAIが用いられいて、それによって大幅に削減されたコストは1950年代以降、アメリカ政府が投資してきたAI研究のための投資総額を上回り、AIの開発は元が取れる投資とも見られるようになっています。

 以降、研究が進められ、最先端の技術の結晶、発達したコンピューターテクノロジーの恵みとして1990年代に登場した技術といった感じがするAIですが、その歴史は意外なほど古く、AIの原点となる概念は17世紀の初め、「機械論」で動物の体が複雑な機械であるとしたルネ・デカルトにまで遡るとされます。

 1642年にはパスカルによって最初の機械式計算機が作られ、チャールズ・バベッジとエイダ・ラブレスによってプログラムする事ができる機械式計算機が開発されると、計算をするという知能は人工的に作り出す事が可能となったといえます。

 1943年にはウォーレン・マカロックとウォルター・ビッツによって「神経活動に内在するアイデアの論理計算」と題した論文が発表されたりもしていますが、AIにとって大きな流れが変わっていくのは1950年代、ジョン・マッカーシーによって「人工知能」という言葉が作り出されて以降という事ができます。

 今年の3月にはチェスよりも複雑とされ、AIが人に勝つには時間が掛かるだろうといわれていた囲碁においてAIが勝利し、その際に用いられたディープラーニングという手法が大きな話題となっていました。

 ディープラーニングは多層化されたニュートラルネットワークを用いて膨大な量の情報を元に学習させ、最適な結論を導き出すといった手法が採られ、この技術によってAIは多くの場面で人を凌駕すると考えられています。

 思わぬ新たなAI元年となりそうな一年の終わりが近付き、この年の事を今後、どのように振り返るのかと考えながらAIとAIがもたらす未来について思いを巡らせてしまいます。


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