FC2ブログ

第3027回 傘の歴史(1)



 長年付き合ってきた愛用の傘が傷んできたので、思い切って買い替える事にしました。お気に入りという事もあって、まだ使えるという思いが使用期間を長引かせてしまっていたのですが、色褪せてダメになってしまって別れるというよりは、余力を残しての引退の方が傘も喜んでくれそうな気がします。

 新たに購入した傘は和傘をモチーフにしたデザインで、通常のものよりも3倍も傘を支える骨があり、しっかりとした作りになっています。骨に支えられた布の撥水性も向上しているらしく、表面に付いた水分はすぐに水滴となって落ちていきます。

 知らないうちに傘も進化しているのだと思いながら、木や竹から鉄、アルミニウム、グラスファイバー、カーボンへと素材が変化した骨や、撥水性が向上したり、濡れると色が変わって柄が浮き出る、紫外線を遮断してくれるといった布の進化について思いを巡らすのですが、傘自体は構造的にはずいぶんと長い間、変化がなく、普遍的な存在のように思えてきます。

 傘が人の歴史に登場するのは約4000年ほど前といわれ、古代エジプトやペルシャの壁画やレリーフにその存在が記されています。当時の傘は現在のような雨を避けるためのものではなく、高貴な人を強い陽射しから守るものとして従者がかざす形で描かれています。

 古代ギリシャでは神の威光を示すものとして、祭礼の際に神像の上にかざされ、古代アッシリアやインドでも高貴な人を酷暑の陽射しから守るものとして使われていました。

 当時の傘は開いた状態で作り上げられていて、今日のように閉じて持ちやすくするという機能はなく、誰かにかざしてもらう大変な贅沢品となっていました。遺言状に傘を継がせる後継者名が記されている事も珍しくなく、長らく富と権力の象徴となっていた事が窺えます。

 遺言状に傘というと、安価なビニール傘に慣れた身としては大いに違和感を覚えてしまうのですが、傘を安価なものと感じる感覚は日本固有のものではと傘の歴史を見ていると思えてきます。


 
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kcolumnist

Author:kcolumnist
にんにく卵黄本舗の健康コラムです。
食と健康をキーワードに最新の医療情報から科学技術、食文化や献立まで毎日更新で幅広くお届けします。是非ご覧ください。

リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR