第3030回 か細き君に(1)



 以前、行き付けのスーパーで納豆が非常に安価に売られていたので何となく購入してみたのですが、どうしても食べたいと思って購入したのではないため、また今度と思っているうちに時が過ぎて捨ててしまう事になるという残念な結果に終わってしまい、その事について話をした事があります。

 非常に安価だったので賞味期限切れによって廃棄してしまったとしても経済的な損失はそれほどでもないのかもしれませんが、食べ物を無駄にしてしまったという自己嫌悪は残ります。価格的に販売していたスーパーにも利益はないと想像され、おそらく赤字分を広告費と考えて集客だけを目的とした安売りではなかったのかと思えます。

 集客企画とはいっても安売りの納豆だけのために出掛けるとも思いにくく、それほど販売促進には繋がってはいないのではと疑問に思いながら、店側の損失を少なくするために納入しているメーカーにも協力要請があった事を想像してしまいます。

 主要な卸売り先であるスーパーの申し出を無下に断る事も出来ず、メーカーでは値引きの要求に応えた納入が行われた事が考えられ、そうした要求が普段から想定される事から利幅を確保するために原価率の抑制が図られていて、それは原材料の供給元である大豆農家へも向かった事が考えられます。

 安値での買い上げを提示される大豆農家では、コスト高となる有機栽培や手間暇かけた育成ができなくなり、原材料となる大豆も不幸な育ち方をしてしまう事になります。

 充分な利益を確保できない栽培農家、メーカー、スーパーも幸せを享受できたとは思えず、購入者である私も結局は自己嫌悪しか残らず、過剰に安価な納豆は誰も幸せにする事なく商品としての生涯を終えた事になります。

 消費者としては商品が安く買えるという事はありがたい限りなのですが、過剰な安さの結果は誰も幸せにはならないという残念なものだと思えてきます。同じような事は身近な食材である「もやし」でも起こっていて、もやしの供給に深刻な影を落としているともいわれるようになってきています。

 このままでは関わる人すべてが不幸になるというだけでなく、もやしの生産者が激減してしまうとまでいわれる事態に危機感を募らせています。


 
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kcolumnist

Author:kcolumnist
にんにく卵黄本舗の健康コラムです。
食と健康をキーワードに最新の医療情報から科学技術、食文化や献立まで毎日更新で幅広くお届けします。是非ご覧ください。

リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR