第3035回 200年ぶりの青



 青い色が好きで、どんな青色かと聞かれると、コバルトブルーで色付けしたガラスの色がすぐに思い浮かんできます。透明ガラスにコバルトブルーの青いガラスを被せて、彫刻を施したオオカミの柄のマグカップがお気に入りで、一番良い光が当たる東の窓辺に飾って眺めています。

 そんなコバルトブルーは人が発見した最新の青い色の色素となっていて、最新といってもフランス人の化学者、ルイ・ジャック・テナールによる発見は今から200年以上も前の1802年の事となっています。

 新たな青い色素はオレゴン大学で材質科学を研究するマス・サブラマニアン教授の研究チームが、電子工学に活用できそうな新たな素材の研究を進めているうちに偶然に発見されています。

 酸化イットリウムと酸化インジウム、少量の酸化マンガンを混合して加熱し、炉から取り出してみると鮮やかな青い色の物質に変化している事が発見され、それぞれの元素記号からイットリウムの「Y」、インジウムの「In」、マンガンの「Mn」を組み合わせて「YInMnブルー」と名付けられました。

 今回発見された新たな色素は、赤と緑の波長が完全に吸収されて青の波長のみが反射されるという特殊な構造を持つため、非常にくっきりとした青色で、極めて安定した化合物であるために色褪せも毒性の心配もないとされます。

 似たような色合いとしてはラピスラズリから採れる群青色のウルトラマリンがありますが、ウルトラマリンは時間の経過によって分解してしまって色が褪せてしまうという欠点があり、新色の青は色褪せの心配が無い事から文化財の修復などにも期待が寄せられています。

 既に紫外線を反射する特性から断熱効果を発揮して建物内を涼しく保つ省エネ塗料などへの関心も寄せられているそうですが、年内には大手のクレヨンメーカーから新色として発売される事が発表されています。

 発売に当たって「YInMnブルー」はもっと親しみやすい名前で呼ばれるように、子供たちに名前を募集しており、9月頃には新たな名前が決まるそうなのですが、200年ぶりに発見された新たな青色で子供たちが何を描くのか、とても気になってしまいます。


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