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第3052回 制限の効果



 人にとって欠かせない栄養素というと、タンパク質、糖質、脂質が三大栄養素となっています。ダイエットの観点から長らく脂質は悪者視され、脂質の摂取を抑える事が健康的な食とされていました。

 ダイエットの主流が血糖値の上昇を抑える事に移ると、悪役は脂質から糖質へと代わり、糖質の摂取を抑えて血糖値の急激な上昇を引き起こさない事が、脂肪細胞の成長を抑えてダイエットを成功へと導くと考えられるようになっています。

 糖質の摂取量を抑える「糖質制限食」は、本来はダイエット法ではなく糖尿病の治療法として始まっています。2008年にイスラエルの研究チームによって中程度の肥満者や糖尿病の患者を対象とした研究が行われ、「低脂肪食」、野菜や豆類を中心とした「地中海食」「低炭水化物食」が及ぼす影響を調べたところ、「低炭水化物食」が最も血糖値の変化に関係している事が判り、糖尿病の食事療法の一環として糖質制限食が脚光を浴びる事となっています。

 2014年にはアメリカの糖尿病学会が発表している糖尿病臨床ガイドラインにも、「1型糖尿病と2型糖尿病を含むすべての糖尿病患者に糖質制限食が推奨される事が明記され、糖尿病患者にとって有効な食事療法となっている事が窺えます。

 しかし、2015年に発表された国立がん研究センターの研究では、40歳から69歳の男女6万人を5年に渡って追跡調査した結果として、女性は炭水化物の摂取量が少ないほど糖尿病を発症するリスクが低下した事に対し、男性では炭水化物の摂取量と糖尿病の発症リスクには関連が見られず、糖質制限食は治療法とはなっても予防法とはならない事が判ってきています。

 男性に限った事ではありますが、糖質制限が有効な予防法とならないとなると、今後も糖尿病の患者は増え続けていくのかと少々暗い未来を思ってしまいます。

 
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