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第3058回 老化の核心



 この数年、著しく発展を遂げている分野の一つにアンチエイジングがあると思います。老化を遅らせて健康寿命を延長する。誰もが願う事ですが、なかなか実現するのは難しい事でもあります。

 老化は死に至る病と捉える事ができます。地球上のほびすべての生き物が感染していて、生まれたその時から病状の進行が進んでいきます。生き物は進化の過程で致命的な疾患への対抗措置を手に入れてきているのですが、老化という病に対して無力な背景には成長とセットになっていたためともいわれます。

 最近の研究で老化を進める原因物質の一つが特定されつつあるとされ、「オステオポンチン」と呼ばれる物質が老化に深く関わっていると考えられています。まだ研究の途上で仮説段階とされますが、オステオポンチンを人為的に減らす事ができれば若返りも可能とされます。

 2016年4月に発表された疫学研究の論文によると、100歳を超えて大きな病気も抱えていない健康長寿グループと一般の70代のグループとの間で血液中のオステオポンチンの量を比較したところ、健康長寿グループではオステオポンチンの量が圧倒的に少ない事が判っています。

 健康的に年を取っている人、体の老化が進みにくい人は、体内のオステオポンチンの量が少ない事が判り、オステオポンチンこそが生物の老化を進めている原因物質という事ができ、老化が進んでいる人とそうでない人では、血液中のオステオポンチンの量は3倍近くも血中量に差がある事も観察されています。

 オステオポンチンは死に至る病を進行させてしまう悪者かというとそうでない一面を持ち、オステオポンチンの「オス」は「骨」を示し、「ポンス」は「橋」の意味を持っていて、その名の通りカルシウムとコラーゲンを結合して骨を形成する重要な役割を持っています。

 80年代にはすでに骨を作る物質として発見されており、健康の維持には欠かせない物質とされながら、腎臓の周りで増え過ぎると尿路結石になりやすくなるという傾向も知られていました。

 オステオポンチンの重要な機能の一つとして、免疫力を活性化するというものがあり、体のさまざまな臓器、部位で必要に応じて作られています。ケガをした際は傷口付近で作られ、免疫力を活性化させて傷を治癒する事に貢献しています。

 そんなオステオポンチンが老化を進めてしまうメカニズムのカギは、免疫に関わるTリンパ球にあるとされ、加齢に伴って異常化するTリンパ球の性質がオステオポンチンを悪玉に変えてしまいます。

 本来、Tリンパ球はオステオポンチンを作る事はないのですが、異常化すると大量のオステオポンチンを作り出すようになってしまいます。免疫力を高めて傷を治すオステオポンチンは、通常であれば傷が治るとその場からなくなり、炎症も鎮まるのですが、Tリンパ球によって大量に作り出されるオステオポンチンは免疫を活性化し続け、体の各所に小さな炎症を長期間にわたって作り出してしまいます。

 長期にわたる慢性炎症は体にジワジワとダメージを与え、血管で起こった慢性炎症は動脈硬化へと繋がっていきます。これまでの研究で慢性炎症は動脈硬化だけでなく、糖尿病やガンなどの発症に関わっている事も判っており、アルツハイマー病の発症にも影響を与えている事が明らかにされてきています。

 加齢と共に増加し、老化を進めてしまうオステオポンチンですが、最新の研究で内臓脂肪型の肥満によって増加する事が明らかにされています。内臓脂肪をコントロールする事でオステオポンチンの量を少なくし、アンチエイジングに繋げられる事が判り、アンチエイジングとダイエットが意外な接点を持つ事が確認された事になります。

 いずれオステオポンチンの量を有効にコントロールする手法が見付かるのかもしれませんが、それまでは健康的な生活を送る事が健康寿命を延ばすという基本に忠実である事が大切と思えてきます。


 
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にんにく卵黄本舗の健康コラムです。
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