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第3074回 不便の代償



 勝手な思い込みで頭が良いといわれる人は、子供の頃からたくさん本を読んだ、もしくはたくさん勉強をした事の副作用としてメガネを掛けているというイメージがあります。早くから目を酷使してしまったために目を悪くしてしまったと思ってしまうのですが、実はそうではなく、良い頭に生まれた人にはメガネを掛けるという運命が伴っていたという事が最近の研究で判ってきています。

 イギリス、エジンバラ大学の研究プロジェクトによる一般的な認知機能や視力、寿命といった健康に関わるさまざまな要因と遺伝に関する研究によると、幾つかの遺伝子的要素の間に関連がある事が判り、一般的な認知機能に優れる事とメガネを掛けている事の間にも相関関係が認められ、認知機能が高い人はそうでない人と比べて28%も高い確率でメガネが必要となる遺伝子を持っているという結果が得られていました。

 研究プロジェクトではCHARGE(ゲノム疫学心臓・老化研究コホート)やCOGENT(認知ゲノミクスコンソーシアム)、イギリスのバイオバンクに登録されている16歳から102歳までの30万486人を対象に認知データと遺伝子データを統合する事で、一般的な認知機能と関連のある148の遺伝子を特定しています。

 それらの遺伝子は、身長や体重といった身体的特質や肺ガンやクローン病などの医学的特質、統合失調症や自閉症などの精神医学的特質と関連しているとされ、さらに一般的な認知機能と健康にまつわる52の特質との遺伝的相関を分析した結果、36の特質において認知機能との間に顕著な相関関係がある事が認められています。

 それによると認知機能に優れているほど近視になりやすく、遠視にはなりにくい。高い確率でメガネやコンタクトレンズを必要としており、握力が強く、高血圧や心臓発作、狭心症、肺ガン、変形性関節症、抑うつ障害にも罹りにくいとされています。

 同じような研究結果は過去にも発表されており、1988年にデンマークで行われた研究では1万5834人の18歳の男性を調査した結果、37.5%が近視で試験の成績が他の学生よりも大幅に良く、教育レベルも高い状態にある事や2015年には双生児初期発達の研究の中で、近視と知能指数との間に遺伝子的関連性がある事が発表されていました。

 メガネを必要とするという事は、普段の生活の中では何かと不便な事も多いとは思うのですが、頭が良く、高血圧や心臓発作、狭心症、肺ガン、変形性関節症、抑うつなどのリスクが低減されるとなれば、悪くない天からの贈り物のようにも思えてしまいます。

 
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