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第1871回 強さと白さとフルート


 以前、システムエンジニアをしている知り合いの方から、「日本製のダンボールは弱く、外国製のダンボールは強い」という事を聞かされた事があります。何でもその方はストレスが溜まると、積み上げられている不用なダンボールを蹴飛ばしてストレスを発散するそうで、その際、同じ力で蹴飛ばしても外国製のダンボールには穴が開かない事に対し、日本製のダンボールは穴が開いてしまうとの事でした。

 確かに庭の井戸のポンプがむき出しだった頃、ダンボールの箱を被せていると、同じくらいのサイズや厚さでも日本製の家電製品の箱よりも外国製の箱の方が長い間、ボロボロにならずにポンプを覆ってくれていました。

 ダンボールは、本来はそれほど強度がないボール紙を波状に成形して、その両面に紙を貼る事によって強度を増した物で、中に入れる物の重量が大きくなりそうな場合の梱包や緩衝材、家具などにも使われています。

 ダンボールの誕生は、19世紀のイギリスにおいて当時、流行していたシルクハットの内側に施す汗を吸収する吸湿材として開発されています。その後、アメリカで割れやすいガラス製品を包装する包材として使用されるようになり、今日のようなダンボール箱が定着する事となります。

 ダンボールには「フルート」と呼ばれる単位が存在し、波型に加工した中芯の山の密度を示していて、ダンボールの強度を示す目安となっています。

 フルートにはA、BからGまでのフルートがあり、AからGに近付くほど波が細かくなり、強度が増す事となっています。唯一の例外として、CフルートだけはAとBの中間となっていて、BよりもGに近いCの方が強度的に劣る物となっています。

 フルートの密度によって強度を確保しているダンボールですが、それ以前にフルートや表面に貼り合せるライナーの原紙となるボール紙自体の強度もダンボールとしての強度に関係してきます。

 ダンボールに使われるボール紙の9割以上が、古紙を再生して作られています。再生する際に漂白したり印刷されている染料や顔料を除く「脱墨」を行うとボール紙の強度が下がってしまって、ダンボールの原紙としては不適格となってしまいます。

 そのため、極力漂白や脱墨を行わないようにしてダンボールの原紙とするのですが、全く行わないと原紙としての色合いが悪くなる事から、ある程度の処理は必要となります。

 その処理の度合いが日本製と外国製のダンボールの強度の差となっていて、色合いは綺麗だが強度は劣ってしまうダンボールは、日本人の潔癖さを好む気質を表す物のように思えてきます。知り合いはそんなダンボールの事情を理解してくれるだろうか、今でも蹴飛ばしに行っているのだろうかと思いつつ、幾層にも重ねられた猫の爪とぎを見ながら、これは何フルートだろうと考えてしまいます。


 
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