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第1879回 アメリカ生れ



 野菜好き、特に生野菜好きという事もあり、ドレッシングはいろんな物を使います。昨年の夏はいろいろな野菜を甘酢漬けにして楽しんだ事から、野菜の風味が染み込んだ甘酢がたくさん残され、それを使ってオリジナルのドレッシングを作ったりもしています。

 ドレッシングとは、本来「サラダドレッシング」と呼ばれる物で、酢や塩、油などを元に香辛料、ハーブ、酒などをはじめとする旨味調味料を加えて作られる液状の調味料の総称で、最近増えてきた油分を含まないノンオイルドレッシングは規格上、ドレッシングタイプ調味料となって厳密にはドレッシングとは別物となっています。

 私にとって最初のドレッシングとなったのは、日本でも馴染みの深いフレンチドレッシングの赤であったと思います。フレンチドレッシングにはプレーンな白とトマト風味の赤がありますが、赤が最初で白はそれから数年遅れて食卓に登場しました。

 フレンチドレッシングはフレンチと名付けられてはいますが、考案されたのはアメリカで、一説には中西部の街、インディアナ州ヘイズルトンを開いたルーシャス・フレンチは大変な野菜嫌いで、普段からほとんど野菜を口にする事がなく、極端な野菜不足によるビタミンの欠乏症から何度も壊血病を起こしかけてしまい、困り果てた彼の妻が少しでも野菜を食べてくれるようにと考案したのが始まりとされます。

 フレンチドレッシングと雰囲気がよく似た物に「サウザンド・アイランド」があります。日本では略して「サウザン」と呼ばれる事も多いサウザンド・アイランドはマヨネーズとケチャップを合わせた物に、細かく刻んだタマネギやピーマンなどの野菜、ピクルス、香辛料などを加えて作られます。

 刻まれた野菜や香辛料がドレッシングに浮いている姿を、アメリカとカナダの国境沿いにある「千の島々(サウザンド・アイランズ)」に見立てて名付けられたともいわれ、また、別説にはニューヨークのホテル経営者、ジョージ・ボルトがレシピを教わった場所がサウザンド・アイランズの別荘であった。レシピ考案者のソフィー・ラロンドの出身地がサウザンド・アイランズであったなど、不思議な名前の由来には諸説があります。

 アメリカ生まれでありながら、フレンチドレッシングのように他国の名が付いている基本的なドレッシングの一つに「イタリアンドレッシング」があります。酢やレモン汁に水分などを加えて酸味を調節し、油、塩、コショウ、砂糖、刻んだ香味野菜、ハーブなどを加えて作られるイタリアンドレッシングもイタリアの名を持ちながらアメリカで考案されたドレッシングとなっています。

 最近ではロバート・H・コブの考案による「コブサラダ」やシーザー・カルディーニ考案の「シーザーサラダ」など、多くのサラダに関する食文化はアメリカから発信され、世界中で食べられるようになっています。特にドレッシングはアメリカ発祥の物が多く、その背景にはヨーロッパではサラダは野菜を切り分けた後、ボウルに入れて最終的な味付けまで終えてからテーブルに出され、味付けのされていない野菜を各々が皿に取り分け、味付けをするという伝統がなかった事が考えられます。

 バリエーションの多彩さや味、品質など日本は世界的に見てもドレッシングの先進国だと思います。車をはじめゲームソフトやパソコンなど、アメリカで生まれて日本へ伝えられ、日本が先進的立場になった物は多く存在します。物事を突き詰めて考え、応用力に優れた日本人の気質の表れかと、売り場に多く並ぶドレッシングを眺めてしまいます。


 
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