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第1898回 黒と白のヤギ



 黒ヤギさんと白ヤギさんの手紙のやり取りに関する童謡が好きで、お互いのメッセージが通じない事にもどかしさを感じながら手紙が届くなり、つい食べてしまう様子に笑みがこぼれてしまい、ヤギという動物に好感をもってしまっています。

 毎年、雑草で埋まってしまう我家の庭を眺めながら、牛でも飼っていたら食べてしまってくれるのにと考えていたところ、牛は好き嫌いがあって、雑草であれば何でも食べるという訳ではなく、好みの草を選んで食べるという事を聞かされ、その点、ヤギは味覚が鈍く、何でも食べるので雑草の処理には適しているという事を知り、もっとヤギが好きになり、庭でヤギを放し飼いにするという事に憧れています。

 特にヤギが活躍する場面として、狭い田んぼがいく層も連なっている事で作業効率が低く、高低差も大きい棚田の雑草処理に山に適した上、何でも食べてくれるヤギは大変活躍するといいます。少し時間は掛かるかもしれませんが、本来であれば重労働となるはずの棚田の草取りがヤギの食事によって終わるというのは、とても素敵な事だと思えます。

 黒ヤギさんと白ヤギさんの童謡にあるように、ヤギというと紙が好物と思ってしまいます。実際、ヤギに紙を差し出すとちゃんと食べてくれます。しかし、本当のところヤギは紙を美味しいと思って食べている訳でもなく、紙が好物という事もないとされます。

 ヤギも牛と同じように4つの胃袋を持ち、何度も反芻しながら草や木の葉などといった繊維質を、ゆっくりと時間を掛けて消化しています。紙も植物と同じように繊維質によってできている事から、ヤギは紙を食べ物と認識して草や木の葉と同じように食べてしまいます。

 家畜化されているとはいえ、山という多様な食べ物に囲まれていた事が、消化可能な繊維質を含む物を食べ物と認識する事に繋がっていると考える事ができ、近縁の種でもヒツジは家畜化の過程で多彩な食べ物に接してこないうちに好みが変化し、紙を与えても食べ物と認識する事はありません。

 好き嫌いなく、いろんな物を食べられるというのは幸せな事だと日頃から思っているのですが、紙を食べる事ができ、好物と思われている事はヤギにとってあまり良い事とはいえなくなっています。

 かつての和紙のように繊維質であるセルロースだけなら良いのですが、今日の紙は多くの化学物質を含んでいたり、表面に艶を出すためにビニールなどによるコートが行われていたり、印刷のインクを含んだりしています。

 そうした化学物質によってヤギが消化不良を起こす事もあり、消化できない紙が消化器官に詰まってしまう事で、最悪の場合、死に至る可能性もあるとされます。そのため、食べるからといってむやみにヤギに身近にあった紙を与える事は危険とされ、紙がヤギの好物という思い込みはヤギにとって迷惑な事ともいえます。

 大好きな黒ヤギさんと白ヤギさんの童謡ですが、ヤギのためを思うと、「届いた手紙を食べようと思ったけど、食べられないと判断して捨ててしまった。さっきのお手紙、御用はなあに?」と歌詞を改めるのが良いように思えながら、何とも味気ない歌詞だと思ってしまいます。


 
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