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第1999回 粉の力



 天ぷらやフライなどの揚げ物の衣に使う事もあり、家に最も常備してある小麦粉は薄力粉ではないかと思います。お菓子やパンを焼いたり、麺を打ったりという事がある場合は強力粉も常備されている事と思います。

 小麦粉には薄力粉、強力粉以外にも中間の中力粉や中力粉と強力粉の間の存在のようなフランスパンなどを焼く際に使われるフランス粉などもあり、それらが交じると判りにくくなるのですが、単純に薄力粉と強力粉だけなら簡単に見分ける事ができます。

 小麦粉を袋から取り出して別な容器に移し、どちらかが判らなくなった場合、小麦粉を握って固めてみると薄力粉は塊になり、強力粉はサラサラと崩れてしまいます。その違いで薄力粉と強力粉を見分ける事ができます。

 薄力粉や中力粉、強力粉といった「力」の違いは、小麦粉の中に含まれるタンパク質の量の違いとなっています。小麦粉にはタンパク質が6~15%ほど含まれているとされ、その数字を見ただけでもタンパク質量が少ない小麦粉と多い小麦粉では、2.5倍ほどのタンパク質量の違いがある事が判ります。

 小麦粉に含まれているタンパク質の約85%はグリアジンとグルテニンで占められていて、両者はほぼ同量が含まれているとされます。小麦粉に水を加えて捏ねる事でグリアジンとグルテニンは絡み合ってグルテンとなり小麦粉を練った生地に独自の質感を与える事となります。

 もともとグルテニンは弾力に富んでいるのですが伸びにくい性質があり、グリアジンは粘着力が強くて伸びやすいが弾力に乏しい性質を持っています。そんなグルテニンとグリアジンが結び付く事で、性質の異なる二つのタンパク質は適度に両方の特徴を合わせ持つようになり、より力が強い小麦粉という事になります。

 原料となる小麦の種類や品質、捏ねる際の水の量、他に加える副材料や捏ね方によってできるグルテンの量や性質が微妙に異なってくるのですが、硬質小麦の方が軟質小麦よりもタンパク質を多く含んでる事から強力粉の原料とされ、そうした原料小麦の性質の違いが握って固めた際の違いに繋がっているという事ができます。

 グルテニンとグリアジンといっても分子構造が異なる物や、ほぼ同じ比率とされながら微妙に配合量が違う事から、同じ強力粉といっても仕上がる生地の質感には違いが出るとされます。

 小麦粉は弾力がある柔らかめのパン生地や硬いうどん生地、ケーキや天ぷらに使う際は液状に近いほどドロドロにして使われます。そうした状態の変化にもグルテンが関わっていて、小麦粉の用途の幅広さを作り出しているのはグルテンという事もできます。小麦粉の用途の広さに繋がるグルテン量を「力」と表現していますが、小麦粉の現在の地位を確立したものとなると、確かに「力」と思えてきます。


 
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