FC2ブログ

第2036回 渇望の素



 毎日、いろんな食材をできるだけ幅広く摂る事を心掛けています。旬の物で、できるだけ産地が近く、色が濃い目の物と考えながら選ぶのですが、食べ物を選ぶ際のもう一つのポイント、それは体が求めている食べ物と思ってきました。

 健康を維持するために必要な栄養素が不足すると、自然と体はその栄養素が含まれている食べ物を求めるようになるので、体が求めた食べ物は欠かさず食べるようにしておけば健康の維持という点に問題が生じない、そう思っていたのですが、どうもそれは勝手な思い込みだったようで、不足した栄養素と特定の食べ物を求める事とは関係がない事を示す研究が存在しています。

 機能MRI(磁気共鳴画像)スキャンや血流の変化によって脳の活動を測ると、特定の食べ物を求める欲求はアルコールやドラッグを求める渇望に似ている部分があり、報酬系と呼ばれる脳の部位を活性化させる事が判っています。

 ほとんどの人が突然、何らかの食べ物を求める気持ちに遭遇します。女性の方が男性より、高齢者よりも若年層の方が頻繁に経験するとされ、85%近い男性が欲求に屈してその食べ物を食べる事で満足する事に対し、女性は57%程度の人しか満足しないとされます。

 そうした食べ物への欲求は栄養の偏りを正すという無意識のなせる技という思いの下に始まった研究は、調査が進むに連れて疑問視されるようになり、栄養素が不足して食べたいと思った食材よりもはるかに多くを含んでいる食材を求めない事、栄養価が高くても味や食感といった美味しさでは劣る物が求められない事の合理的な説明ができない事となり、社会的、文化的、心理的などの要因が複雑に絡んで引き起こされている事が判ってきています。

 最も食べたいという突然の欲求が高まりやすい食べ物にチョコレートがあるとされますが、欧米では高い比率で求められるチョコレートはエジプトではほとんど求められる事はないとされ、社会的、文化的背景の影響の強さを伺う事ができます。

 そうなると食べ物を選ぶ基準が一つ崩れてしまうのですが、同研究では欲求の対象があまり健康に良くない食べ物であったり、単に欲求を抑えたい場合はジャスミンの香りを深く嗅ぐと、重要な役割を果たしているアロマの受容体がジャスミンの香りによって占有されてしまう事から、比較的容易に欲求を抑える事ができるとしています。最近、急にジャスミンティーが飲みたくなり、結構な頻度で飲んでいるのですが、それは急な食べ物への欲求の高まりを抑えようとして脳が求めていたのではと、似たような事を考えてしまいます。


 
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kcolumnist

Author:kcolumnist
にんにく卵黄本舗の健康コラムです。
食と健康をキーワードに最新の医療情報から科学技術、食文化や献立まで毎日更新で幅広くお届けします。是非ご覧ください。

リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR