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第2053回 茶碗いろいろ



 茶碗というと、ご飯を盛り付けるご飯茶碗がすぐに思い浮かびます。身近なところでは湯飲み茶碗もあり、茶席で使われる抹茶碗、煎茶をいただく際の煎茶碗など、一言で茶碗といっても多種多様である事が判ります。

 茶碗は本来、その名の通りお茶を飲むための器として生まれ、奈良時代から平安時代に掛けてお茶と一緒に伝えられています。茶碗の用途や姿が多様化するのは江戸時代に入ってからの事で、煎茶が流行した事から茶筅でかき混ぜる事を考慮しない形状の煎茶碗、白湯や番茶などの比較的多めの量を入れる湯飲み茶碗、ご飯を盛り付けるご飯茶碗へと発展しています。

 茶碗の基本形となったといえる抹茶碗はその形状によって幾つかの分類が存在し、飲み口が狭い事から冷めにくく、冬場の使用に適しているとされる筒茶碗や、飲み口が広くて冷めやすく、夏場の使用に適した平茶碗。焼き物としての特徴から形状名が付けられた天目茶碗や井戸茶碗など、さまざまな形状があります。

 そうした茶碗の形状の中で、最も馴染み深いご飯茶碗の原型となったのは天目茶碗ではないかと思えてきます。天目茶碗は天目釉と呼ばれる鉄釉を用いて焼かれた陶磁器で、そのルーツは周の時代にまで遡るとされます。

 宋の時代には盛んに制作されるようになり、鎌倉時代になって禅宗が盛んになると日本から中国禅宗の中心地であった浙江省の天目山への留学が増え、留学から帰国した禅僧によって持ち帰られた事から鉄釉の茶碗を「天目」と呼ぶようになっています。

 口が開き底が締まって丸みを帯びた姿は、今日のご飯茶碗に通じるものが感じられ、鉄分が多く黒い釉薬となる「柿釉」がかけられた茶碗は思わず炊きたての白いご飯が映えそうと思ってしまいます。

 茶碗というと陶磁器の事と思えますが、全国的に陶磁器の茶碗が普及するのは明治以降の鉄道の発達が大きく関わっているとされます。今日、気軽に接している茶碗ですが、便利に使えるようになった背景には製造技術や流通など多くの技術的発達があった事と、現在の状況に感謝しなくてはと思えてきます。


 
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