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第1736回 サトウキビから(1)



 子供の頃というか現在もなのですが、チョコレートに入っているラムレーズンが大好きで、通常のレーズンはそれほど好きという訳ではないので、普通のレーズンとラムレーズンを分けている物、ラム酒には特別な思いがありました。

 大学に入ってからラム酒を買い求め、ラムレーズンの事を思いワクワクしながら味見をした事があります。グラスに注がれたウィスキーよりも少し淡い琥珀色の液体は、強いアルコールのにおいがしますが、確かにラムレーズン特有の香りがします。一口含んだ瞬間、思った事は、これは飲料ではなく燃料だというものでした。

 一口で私のラム酒への思いは一変してしまいましたが、その後、意外な場所、奄美大島で再会する事となります。奄美大島の地酒でもある黒糖焼酎はサトウキビを搾り、発酵させて得られる原酒を蒸留するという正にラム酒そのものといえます。

 酒造りは原料となる植物が持つデンプンやセルロースなどを分解して糖化させる事から始められます。そのためにアミラーゼなどの分解酵素が必要となりますが、サトウキビはもともと大量の糖分を持っている事から、糖化の工程が必要なく、すぐにアルコール発酵から始められるという優れた酒の原料となっています。

 酒造りには最も適しているといえる原料を使って作られるラム酒は、作り方、色、風味などで細かく分類されています。大きな分け方としては作り方による分類法があり、工業的に作られるインダストリアル・ラムと農業的に作られるアグリコール・ラムという分け方があります。

 インダストリアル・ラムは、サトウキビの搾汁から砂糖を作った後に残る廃糖蜜を原料とし、廃糖蜜を発酵させてできた醸造酒を蒸留してエタノールの濃度を高め、それを熟成させて作られる事に対し、アグリコール・ラムはサトウキビの搾り汁をそのまま発酵させて元となる醸造酒を作っています。

 一般的に知られている分類法としては、色による分類法が広く知られていて、無色透明なホワイト・ラム、薄い褐色のゴールド・ラム、濃い褐色のダーク・ラムの3種類に分けられ、日本の酒造メーカーからもホワイトとダークのラム酒が発売されているので馴染み深い分類法なのかもしれません。

 日本ではあまりいわれませんが、ラム酒を風味別に分ける分類法もあり、単に風味だけでなくそれぞれ製法が異なっている点も興味深い分類法となっています。

 軽い風味が特徴のライト・ラムは、糖蜜に水を混ぜて純粋酵母発酵させて醸造酒を作り、それを連続式と呼ばれる蒸留器で蒸留して高い濃度のアルコールになるまで濃縮して、雑味成分がほとんど含まれない状態にします。その後、内側を焦がしていないオーク材の樽に詰めて比較的短い熟成期間で仕上げられ、樽熟成のままだとゴールド・ラム、活性炭で濾過するとホワイト・ラムとなります。

 ライト・ラムに対して濃厚な風味が特徴のヘビー・ラムは、糖蜜や廃糖蜜を自然発酵させ、そこにサトウキビの搾りかすや前回の蒸留後に残った残液などを加えて更に発酵させ、出来上がった醸造酒を単式と呼ばれる蒸留器で蒸留し、内側を焦がしたオーク材の樽かバーボンウィスキーを熟成させた後の樽に詰めて熟成させ、3年以上も時間をかけて熟成させるとダーク・ラムとなります。

 ミディアム・ラムは糖蜜を自然発酵させ、製品によってはそうでない物もありますが、サトウキビの搾りかすを加えて更に発酵させ、連続式の蒸留器を使って蒸留した後に熟成させるという中間的な作り方をするか、ライト・ラムとヘビー・ラムをブレンドして作られます。

 映画、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のヒット以降、世界的に消費量が増えたとされるラム酒ですが、製法や色、風味で好みのブランドを探してみるのも楽しい事かもしれません。


 
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