FC2ブログ

第2095回 白く輝く・・・(2)



 バターの安価な代替品として牛脂や牛乳を使ったオレオマーガリンが開発され、後に水素添加反応を用いて植物油から作られる合成マーガリンへと代わっていきます。水素添加反応を使って加工を行う際、不飽和脂肪酸から飽和脂肪酸へと変化せずに不飽和脂肪酸の状態へと戻ってしまった脂肪酸がトランス脂肪酸となり、マーガリンはトランス脂肪酸が多く含まれる食品として使用する事による健康不安をいわれるようになってきています。

 かつてマーガリンが植物由来の物である事から、動物性油脂であるバターよりもヘルシーといわれていた頃、同じように内容成分について健康不安をいわれた事があります。

 ベニバナ油にはリノール酸が多く含まれ、当初はリノール酸が健康に良いと評判になっていた事から、ベニバナ油を使ったマーガリンもリノール酸を多く含む物として健康的といういい方をされていました。しかし、後にリノール酸は総コレステロール値を下げる作用があっても一時的で、代謝される事で最終的にはアラキドン酸となり、アラキドン酸にはアレルギーを助長する心配がある事から、リノール酸を多く含む事は健康面においては否定的な見方をされるようになっています。

 最近では、アラキドン酸は脳細胞の柔軟性を保つためにDHA〈ドコサヘキサエン酸)と同じような働きをする、やる気を引き立たせるとして健康面だけでなく、体を構成する重要な成分としていわれるようになっていますが、当時はそうした事が知られておらず、品種改良を行う事でリノール酸が少なく、オレイン酸を多く含む品種の開発が行われています。

 トランス脂肪酸は加工などによって生じる事から、原材料となる植物の品種改良によっては含有量を調整する事ができず、対応が難しいようにも思えてきます。熱を加える事でシス型の不飽和脂肪酸がトランス型へと変化する事から、植物油や魚油を精製する、硬化させるといった加工を施した際や調理する際にも生じていて、食品の中に完全に含まれない状態を作り出す事は不可能なようにも思えます。

 油脂を熱加工しない自然界には存在しないといういい方をされる事もありますが、反芻動物の胃の中では共生している微生物によって作り出されているため、牛肉や羊肉には微量ですが含まれています。また、熱を加える事で増える事から、繰り返し温め直しをを行った料理にも比較的多めのトランス脂肪酸が含まれている事となります。

 現在、トランス脂肪酸の健康への影響としては、悪玉といわれるLDLコレステロールを増やし、善玉といわれるHDLコレステロールを減らす事が確認されていて、派生的に心臓病や虚血性障害のリスクを高めると考えられています。そうしたリスクはトランス脂肪酸単体というより生活習慣との関連が深いと考えられる事から、トランス脂肪酸の摂取に神経質になり過ぎず、生活習慣全体を見直しながら摂取量の低減に努める事が大切なように思えてきます。

 摂取量の目安が総カロリー数の1%未満とされ、平均的な日本人は一日当たり1.56gを摂取していると考えられる事から、総カロリー数の約0.7%となり、すでに摂取目安を下回っている事が判ります。健康に関する多くの事についていえる事ですが、あまり神経質になり過ぎない事が大切なのかもしれません。


 
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kcolumnist

Author:kcolumnist
にんにく卵黄本舗の健康コラムです。
食と健康をキーワードに最新の医療情報から科学技術、食文化や献立まで毎日更新で幅広くお届けします。是非ご覧ください。

リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR