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第2097回 鶏と魚と七面鳥



 今年もクリスマスを迎え、大手フライドチキンのチェーン店では大変な賑わいとなっているのではと思います。日本でクリスマスに鶏肉が食べられるようになった理由は、欧米のクリスマスで七面鳥を食べるという習慣が日本に持ち込まれた際、日本では七面鳥の入手が困難であった事から鶏になったとされます。

 クリスマスには七面鳥という習慣はアメリカで始まったとされ、その期限は1620年代にまで遡ります。イギリスからアメリカへと移り住んだピューリタンが過酷な冬を越せずに全滅の危機に瀕していた際、先住民達が食料を支援してくれ、その際、トウモロコシやカボチャ、豆類などの栽培や七面鳥の飼育方法を教えてくれました。

 全滅の危機を免れ、翌年には教わった方法で農産物を栽培し、七面鳥を飼育して現地での生活の基盤を作る事ができたお礼に、恩人である先住民達を招待して収穫を神に感謝する祭りを開きました。今日でも感謝祭として残る祭りの影響もあり、アメリカでは感謝祭やクリスマスなどの大きなイベントには七面鳥を食べるという習慣ができたといいます。

 それがヨーロッパにも伝えられて、欧米のクリスマスには七面鳥が欠かせない存在となったとされます。一説には当初は、七面鳥ではなくガチョウが一般的に食べられていたそうですが、イギリスのビクトリア女王が七面鳥好きであった事から、ガチョウが七面鳥に置き換えられ、1850年頃を境に七面鳥が一般的となったともいわれます。

 同じヨーロッパでもイタリアでは七面鳥ではなく魚が食べられるとされ、クリスマス前に行った断食後、急に肉料理を食べるのは消化器官への負担が大きいと考えた習慣の影響という意見もありますが、古代ローマでキリスト教が迫害されていた頃、キリストを象徴するものとして魚の文様が書かれていた事から魚料理となったのではと思えます。

 ギリシャ語で魚は「イクトゥス」と呼ばれ、「イエス キリスト 神の子 救世主」という言葉の頭文字を合わせるとイクトゥスとなり、公に祈りを捧げる事ができない代わりに魚の文様を描いたり、地面にランダムに線を描き、その中の一つを弧を描いた曲線として、もう一人が同じく地面に線を描き、円弧に書き足す形で逆の円弧を描いて魚の形を完成させると、お互いに密かにキリスト教を信仰する者同士である事を確認したとされます。

 また、魚については聖書の中で漁師だったペテロに「これからは魚ではなく人を取る漁師になるのだ」と諭して弟子にしたエピソードや、二匹の魚と五つのパンで5000人の食料とした「パンと魚の奇跡」、神殿税を請求されて困っているペテロに釣りに行って捕まえた魚の口に税金分の銀貨が入っているとイエスが語る「聖ペテロの魚」などがあり、キリスト教との関わりの深さが伺えます。

 歴史や文化的な背景を思うと理解できる七面鳥や魚のクリスマスですが、馴染みのない日本ではやはり違和感を感じてしまいます。欧米人からは日本のフライドチキンと生クリームとイチゴで飾り付けたふわふわのスポンジケーキという取り合わせに違和感を感じるそうですが、それも一つの文化となってしまっているようにも思えてきます。


 
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