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第2171回 中華料理店から



 少し前の事となるのですが、知り合いと中華料理店で食事をしていて、知り合いが北京ダックを注文すると店のシェフが「北京じゃないけど良いですか」と確認を取りに来て、「大変ですね」「そうなんですよ。単なるインフルエンザなんですけどね」という会話が交わされ、中国で鳥インフルエンザが流行し、鶏やアヒルの肉の輸入が禁止された事を意識してしまうという場面がありました。

 当時は牛や羊の口蹄疫と同じように人への感染という影響よりも養鶏業への打撃の方が心配されていたのですが、その後、人への感染力を得て大流行し、大変な被害を出すという怖ろしげな話がされるようになり、いつの間にかそれが必然のようにもいわれるようになってきています。

 インフルエンザにはA、B、Cといった型があるとされ、その中で人がAやB、Cにも感染するのに対し鳥はA型のインフルエンザにしか感染しないとされます。通常は鳥と人では遺伝的に大きく異なる事から、共通のインフルエンザウィルスによる感染は起こらないとされますが、鳥から比較的遺伝子的に感染しやすい豚、豚から人へとウィルスが突然変異を繰り返しながら人から人へと感染する力が培われていくと考えられています。

 そのため鳥と豚、人間が近い位置関係で生活する都市でインフルエンザの感染力は形成されるとされますが、鳥インフルエンザは鳥から人へと幾つかの段階を飛び越して感染するという部分がこれまでにない存在とも思えてきます。これまでにない存在となると罹患して回復したという免疫を確保した人の存在がない事となり、一旦感染すると重症化する事も考えられ、鳥インフルエンザの脅威をより大きいものとしています。

 今回の鳥インフルエンザに関しては、抗インフルエンザウィルス薬のタミフルやリレンザが効果的という予測が出されています。おかしな偶然なのですが、中華料理店で鳥インフルエンザの話を聞いた直後、中華料理もいろいろと大変だという話の一環として、中華料理で使われる「八角ウイキョウ」の値段が高騰して困るという話も聞かされています。

 タミフル(オセルタミビル)は、ウィルスが感染した細胞から別な細胞へと感染を広げようとする際に使う酵素の働きを阻害する事で、インフルエンザウィルスの増殖を抑え込む働きがあります。一般的にC型には効果がないとされ、B型にも効きにくいされる半面、A型には効果があるとされる事から、鳥インフルエンザには有効と考える事ができます。

 タミフルはシキミ酸から10段階ほどの工程を経て作られています。シキミ酸は当初、植物のシキミから発見され、その名が付けられましたが、ほとんどの植物に含まれており、八角にも多く含まれています。

 中華料理店で鳥インフルエンザに関する話を聞いていた頃は、SARS(重症急性呼吸器症候群)が話題となり、パンデミック(世界的大流行)という言葉がよく聞かされていました。そんな中、タミフルの増産と確保がいわれ、原料となる八角の品不足にも発展していたという事になります。

 そうした事情から私の中ではどちらも中華料理店から始まったような呑気な印象があります。しかし、呑気な事をいっていられないのは、中国では鳥インフルエンザに感染した事が判ると強制的に隔離され、治療が行われるのですが、退院後、日本円にして100万円近い治療費が請求される事となるといいます。

 現地の人の収入を考えると感染して生還しても復旧できないほどの経済的損失を受けてしまう事となるため、体調不良を隠して自宅療養する人も少なくないという予測もあり、実際には感染者の数は遥かに多いという見方も存在します。今回の感染の発生がどのような展開を見せるのかは、今のところ不明なままとなっていますが、一刻も早い収束を待ちたいと思っています。


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