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第2178回 食べるべきか食べないべきか(2)


 人間は雑食性の生物であり、肉や野菜を食べる事ができます。犬はかなり肉食に近い雑食性とされ、一応、肉ばかりでなく野菜を食べる事もあります。しかし、猫は完全な肉食であり、野菜を食べる必要はないとされ、人間から見るとかなりの偏食という事ができます。

 猫が偏食でも丈夫に育つ理由はビタミンなどの肉食では摂取できない栄養素を体内で合成できる事や捕食した獲物の血液中の微量元素を利用できるからで、人間には食物から摂取する事が欠かせないビタミンCなども体内で合成する事ができ、その意味ではビタミンCは猫にはビタミンではないといえます。

 日本では猫は魚を好むと考えられ、ペットフードの売り場へ行くとカツオやマグロを中心としたフードが売られ、鶏肉のササミを使った物も見られますが、原料をササミとしながら味付けは魚という製品も多く見られます。

 日本で猫が魚を好むとされるようになったのは仏教の影響が大きいとされ、経典や蓄えた穀物をネズミから守り、ペットとしても最適だった猫が日本人が仏教の影響で獣肉を食べなくなった事に付き合わされているうちに、魚を好むDNAが積極的に受け継がれたためともいわれます。

 日本では猫には魚となっていますが、日本以外では猫には肉となっていて、魚由来のフードは少数派となっています。猫は狩の名人で水に入る事を好まないという点では、魚を獲って食べていたというより鳥や小動物を捕まえて食べていたという方が自然に思えるので、肉を食べさせる方が妥当なようにも思えます。

 また、猫のフードに関しては乾燥させたドライフードと缶やパウチなどに入れられたウェットフードがあり、どちらも長所と短所がある事から賛否両論がいわれる状態となっています。

 ドライフードの最大のメリットは保存性の高さにあり、水分量の少なさから比較的多めの量を買い置きする事ができます。気に入って食べてくれていると思っていても、ある日急に飽きて食べなくなる事があるので、保存性の高さを利用して数種類を買い置きしてローテーションさせて飽きさせないようにするという事も比較的簡単にできるようになっています。

 かつてはドライフードは硬い食感が歯石を除く事に作用し、猫のオーラルケアに役立つという事が最大のメリットのようにいわれていましたが、最近ではドライフードによる歯石の除去は否定的に見られるようになり、むしろ主原料がトウモロコシや大豆といった穀物であり、肉食の猫には不向きな食材が使用されているともいわれるようになってきており、本来食べるべきではない穀物の摂取によって尿のpHが変化し、猫にとって日頃から注意すべき疾患である尿路結石を誘発するという意見も出されています。

 ウェットフードは水分量が多い事から、日頃から水分を多めに摂って尿路結石の予防を図りたい猫には最適とする意見もありますが、食べ比べさせるとウェットフードを食べて水分を摂った分、水を飲まなくなる事からそれほどの違いはないようにも思えます。

 ウェットフードの最大のメリットは猫が本来食べるべき動物由来のタンパク質を多く含んでいるという事で、多くの製品が加熱調理される過程で骨や組織から出たゼラチン質を含む事など、良質のタンパク源となる事が考えられます。

 それぞれ長所と短所を併せ持つドライとウェットのフードですが、共通していえる事は選択が飼い主の主観に左右される事から、飼い主の目に美味しそうに見えるように不要な着色料が添加されている事や、品質を保持するために保存料を含む事、猫用に限った事ではありませんが缶入りの製品は内側のコーティングから染み出す化学物質や原材料の魚に含まれる水銀など、考えていくと多くの問題を内包しています。

 猫まんまというとご飯に味噌汁という感じですが、塩分が多く動物性たんぱく質を含まず、米という穀物中心といった物よりは遥かに優れた栄養バランスを持つキャットフードですが、それにしても何を食べさせるべきか、何を食べさせないべきか難しいものがあります。


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