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第2220回 解ける時



 子供の頃、氷が水に変わる際、固体から液体へと一気に変わってしまう事が不思議に思えていました。結晶物がそうではない状態になるのだから、それほど不思議に思うべき事でもないのかもしれませんが、温度を上手にコントロールしながら上げていくとバターのように柔らかくなってから液状化しないのか、確認できないものかと眺めていました。

 幼い好奇心は良いとしても、氷が水に変わる瞬間、何が起こっているのかについては謎とされていました。先日、コンピューターを使ったシミュレーションによって氷が解け出すきっかけとなる事が解明されていました。

 水の分子は「H2O」で示されているように水素の原子が2個と酸素の原子1個で構成されています。水素原子と比べると酸素の原子は大きく、大きな酸素原子の両端に斜めに水素原子が結合して水の分子はできているのですが、氷の状態ではその水分子が六角形の網目を構成して整然と並んでいます。

 温度が上昇してくると分子のゆらぎが始まり、網目を形作っていた分子同士の結合が切れ始め、六角形の並びが崩れてくる部分が現れてきます。水の分子は安定した状態に戻るために、初めのうちは切れた部分はすぐに再結合するのですが、やがて温度が上昇してゆらぎがひどくなると間違った場所に繋がったりする分子も見られるようになり、連鎖的に結晶構造が崩れていくとされています。

 その瞬間の事を考えてみると、氷は結晶構造が一気に崩壊していって水になってしまうため、子供の頃、想像していた解けかけたバターのような柔らかい状態にはならない事がよく解ります。好奇心が満足されたように思えるのですが、それ以上に今回の研究によってさまざまな化学物質の構造や水を含んだタンパク質の構造が変化する仕組みを解明する事に役立つとの事なので、とても画期的な研究であったという事ができます。


 
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