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第2238回 過睡眠弊害



 昔から「寝る子は育つ」といわれますが、成長して大人になってからは、あまり睡眠を多く摂る事は長寿に対してマイナスの働きを及ぼす事が最近のさまざまな研究によって示唆されてきています。

 そうした研究の多くは長寿者の生活習慣の調査を通し、長寿者に睡眠時間が長い人が少ない事から結論が導き出され、具体的に長時間の睡眠習慣を持つ事でどのような変化が訪れるのかについては言及されていないのですが、先日行われた研究では長時間の睡眠で自殺願望が高まるという興味深い結論が得られていました。

 睡眠は少なくても多過ぎても良くないとされますが、10時間以上の睡眠で医学的に「自殺念慮」と呼ばれる死にたいと思う気持ちが高まる可能性が示唆されています。

 6228人の大人のデータを元に2週間の睡眠時間と自殺念慮を抱いた割合の関連を調べたところ、ストレスとなる睡眠不足を感じる5時間以内の睡眠を行っていた人よりもたっぷりの睡眠といえる10時間以上の睡眠を行う人の方がリスクが高い事が判っています。

 睡眠時間が短い5時間以内の睡眠でもリスクが高まる事が観察され、6時間程度の睡眠を行う人に比べそのリスクは2.4倍に達したとされますが、10時間以上の睡眠を行う人ではそれを上回る3.5倍にもリスクは大きくなっていたとされます。

 また、不眠症状でもリスクが高まる事が観察され、寝付きが悪い「入眠障害」、寝ている間に何度も目を覚ます「中途覚醒」、早い時間に目が覚めて再び眠る事ができない「早朝覚醒」のそれぞれにリスクの高まりが見られましたが、中でも入眠障害と中途覚醒で顕著にリスクの高まりが見られています。

 日本では6時間程度の睡眠を摂る人が最も多いとされ、6時間未満の人は7%程度、9時間以上は3%程度とされますが、約2割の人が不眠症に悩まされているとされ、自殺念慮の高まりに加え不眠症は鬱病の入口ともされる事から、注意が必要ともいえます。睡眠は健康やQOL(生活の質)に大きく関わっているので、軽く考えずに向き合うべきものと思えてきます。


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