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第2274回 秋分の昼と夜



 今年も秋分の日を迎え、秋が深まり始める事を感じています。山の紅葉はまだまだという感じですが、陽射しはすでに夏特有のギラ付いた感じがなくなり、稲穂が実る田んぼの畦には彼岸花が咲いていて、確実に一番好きな季節が訪れている事を実感できます。

 秋分の日の起こりは日本古来の自然信仰にあるとされ、昼と夜が同じ長さになる春分の日に先祖の霊である山の神を里に迎え、再び昼と夜が同じ長さになる秋分の日に山へ送るという儀式が仏教の浸透と共に「彼岸」と結び付き、先祖を供養するという意味合いが濃いものとなっています。

 日本に限らず昼と夜が同じ長さになる春分の日と秋分の日は重要視され、世界中のさまざまな遺跡に太陽の運行を観察し、春分の日と秋分の日を知るための工夫の跡とされるものが見られています。それだけ重要視された昼と夜が同じ長さになる日の存在ですが、厳密には昼と夜の長さは同じではないとされます。

 秋分の日に昼と夜の長さが同じにならない理由の一つは、地球上の大気の存在があります。大気によって太陽の光が屈折し、実際の位置よりも上にあるように見えてしまう事から、大気の屈折率を考慮すると日の出が早まり、日の入りが遅くなって約2分20秒ほど昼が長くなってしまいます。

 日の出と日没の定義は、太陽の一番上の部分が地平線と一致した時としている事から、太陽の半径の分だけ日の出が早めになり、日没は遅くなってしまいます。わずかな差のようにも思えますが、太陽の大きさともなるとその差は1分5秒ほどにもなると見積もられています。

 また、地球と太陽の距離に地球の半径という位置関係による視差によっても0.7秒ほど日の出は早く、日没は遅いものになっていて、秋分の日という一日を通しても太陽の黄径は変化を続けている事も考えると、最終的に秋分の日の昼は12時間7分、夜は11時間53分となり、昼と夜の長さは14分も違う事になってしまいます。

 そのため完全に昼と夜の長さが同じになるのは、秋分の日の4日後となるとされます。秋分の日を挟んだ前後3日を彼岸の入り、彼岸の明けとしている事から、自然現象や人間の勝手な定義による昼夜が同じ時間となる日は彼岸を終えた後となってしまいます。

 若かりし頃、団子屋のお婆さんに「このお団子は彼岸の間だけの販売だよ」といわれ、「それっていつからいつまでですか?」と質問して呆れられた身としては、あまり細かい事をいうべきではないとも思えてきます。


 
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