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最2298回 謎の灯り



 とても気になる事の一つに、エジプトのピラミッドの中の壁画や彫刻などで飾られた部屋からススが発見されないという話があります。ピラミッドは大きな窓を持たない建造物なので、少し中に入り込むと光が届かない暗い空間が広がる事となります。

 そのため何らかの光源を用いないと作業どころではなくなってしまうのですが、当時の光源といえば松明かろうそくが真っ先に思い浮かびます。特に松明は最も原始的な携帯光源なので、暗いピラミッドの中では便利な物であったように思えます。

 ろうそくというとピラミッドの雰囲気ではないようにも感じられるのですが、古代エジプトではミイラ作りですでに蜜ろうを使う技術があり、ろうそくに関する知識も持っていて、すでに実用化されて使われていた記述も残されています。

 明るさでは松明、光の安定感ではろうそくのように思えるのですが、両方とも何かを燃焼させて光を得ている事や、当時の精製技術を考えると燃料の中に不純物が含まれる事から、それなりに燃焼に伴うススが発生していた事が考えられます。

 それなのに内部からススが発見されないという事は、松明やろうそくといった燃焼系ではない光源を使ったという事になります。その答えとして鏡を使う事で外の陽射しを内部へ誘導したという説明がされていますが、その頃の鏡の反射率を考慮すると鏡の2、3枚目で光が物を見るには適さない明るさにまで減衰してしまうといいます。

 小さな素焼きの壺に果汁やワインなどの酸性の液体を満たし、2本の電極をその中に浸す事で電気を発生させられる事がすでに知られていた事を示す遺物が残され、古代エジプト人も利用していた可能性がありますが、電気抵抗を利用して光を得る事が行われたのは19世紀初頭の事であり、大気中ですぐに燃えてしまうフィラメントを安定させるにはエジソンの登場を待たなければなりません。

 電気を発生させて抵抗値が大きい素材に流し、光を発する事はできたとしても、それを覆うガラスの容器を作り、その中から酸素を追い出す技術は古代エジプトにはなかったように思え、またそうした遺物が見付かっていない事からも電球が使われていたとは思えません。エジプトの人々は何を使って暗いピラミッドの中を照らしていたのか、解明される日を心待ちにしています。


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