FC2ブログ

第2373回 食べない特産品



 何かがたくさん取れたり、特産品として名物になっていたりする場所の事を「○○どころ」と呼んでいて米どころなどが良く知られ、それぞれの地域にその名産品に関するレシピが多く存在するのですが、その食材の名産地にはその食材に関する独自のレシピはほとんどなく、実際にその地域では生産はされていますが、ほとんど食べられていないという奇妙な農作物があります。

 その農産物の名は「大豆」。大豆の生産量世界一を誇るアメリカでは、大豆を食べる食文化はなく、国民の間にヘルシーな食材という認識は浸透していながら、ほとんど食べられていないという状態になっています。

 アメリカが大豆生産量世界一の地位を得たのは1954年の事で、それまで世界一を誇っていた中国を抜いて世界一となり、それ以降、一度も一位の座を明け渡す事もなく、大量の大豆を生産し続けています。

 すでに半世紀を超える世界一の生産の歴史の中、アメリカ人が大豆を食べようとした形跡は見られず、大豆を食べるという発想がなく、大豆を食材として認識していないとも思えるのですが、健康志向が強いアメリカ人は日本人以上に大豆に含まれるタンパク質やレシチン、イソフラボンといった成分の効能について認識していて、アメリカ合衆国政府も健康のために大豆を食べる事を推奨しています。

 地産地消が定着している日本人の感覚からは、何故食べもしない物を大量に作り続けるのだろうと不思議に思えるのですが、大豆は大豆油の原料となり、家畜の飼料としても使われています。

 大豆に含まれているタンパク質は飼料として与える事で牛の肉へと変換され、アメリカ人にとって重要な食材である牛肉として食べられているという事もできます。

 タンパク質に焦点を当てて食の効率という部分から見ると、牛肉を得るためにはその7倍の大豆が必要となる事から、如何に大量の大豆が必要になるかという事が理解でき、肉食がエコではないといわれる理由も判ります。

 FDA(米国食品医薬品局)によって大豆が多くのアメリカ人の死因となっている心臓病のリスク低下に有効である事が発表されて以来、大豆を食べる事は広がってきているとされますが、牛乳と同じ感覚で売られている豆乳を除き、市場の拡大はそれほど見られていないといわれます。

 その背景には家畜の飼料を食べるという事への抵抗感や、大豆を消費するようになる事で飼料としての大豆が高騰したり、品薄になったりして牛肉価格の安定や供給に支障が出るのを嫌ったと考える事もできるのですが、単純に大豆特有の青臭いにおいが受け入れられなかったともいえます。昆布と一緒にふっくらと煮上がった大豆の美味しさを知らないのは、かなり不幸なようにも思えます。


 
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kcolumnist

Author:kcolumnist
にんにく卵黄本舗の健康コラムです。
食と健康をキーワードに最新の医療情報から科学技術、食文化や献立まで毎日更新で幅広くお届けします。是非ご覧ください。

リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR